イヴ・サンローランへの手紙

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  • サイズ B6判/ページ数 185p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120042126
  • NDC分類 589.2
  • Cコード C0098

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

154
先月観た映画『イヴ・サンローラン』、イヴが亡くなるまでの50年間公私共にパートナーであったピエールの深くて静かな愛情が描かれていた。この本はイヴの死の数日後から約1年2ヶ月までの間に書き綴られた手紙文で構成され、この手紙がピエール氏の喪の作業であったことが伺える。予想通り寛大な愛に溢れていたが、それだけでなくピエール氏の美術や文学、音楽に対しての造詣の深さ人脈の広さが伺えて、登場する本(特に詩集)は全部読んでみたくなった。そしてそんな二人の歳月と絆を、関係性に共通点の多い自分達に重ねずにはいられなかった。2014/10/02

アキ

106
国立新美術館のイブサンローラン展を訪れた。著者のピエール・ベルジュとの写真も数点展示されていました。途中仲違いで数年間の別居以外は、約50年間寝食を共にした。イブサンローランが2002年引退を発表し、2008年6月1日死去した際の葬儀文から始まる彼への手紙の数々は、読んでいて胸が苦しくなる程彼への愛に溢れています。ふたりで聴いたオペラ座でのマリア・カラスのガラ・コンサート、マラケッシュの別荘、ザルツブルク音楽祭、どこへ行こうと彼の不在を嘆く。本書は2011年ヴォードヴィル賞を受賞。著者は2017年死去。2023/10/07

syaori

60
サンローランの公私にわたるパートナーだった作者が、イヴの死後に彼に綴った手紙。語られるのは彼らの50年間の幸福と苦悩、「遺憾の気持ち」と「我を忘れた愛」について。彼が人生をかけて守った「近眼で内気な青年」について。パンツスタイルやトレンチコートで「女性たちの生活を変え」た偉大なアーティストについて。そんな様々な苦しく幸福な思い出や思いと共に「我が称賛、我が深い尊敬、そして我が愛を君に」とイヴに、自分に何度も繰り返す作者の、夢のような「思い出だけを荷物として」残されてしまった寂しさに愛に何度も涙が出ました。2020/11/05

こばまり

45
人様のラブレターを盗み見ているような感覚に陥り、ページを開く角度もつい慎ましげに。併せて文学、芸術に於けるベルジェ氏の博識に感嘆致しました。モードの帝王に半世紀寄り添い、一流のメゾンを率いるというのはこういうことなのかとため息。密やかに読み終えました。2015/02/23

kazuさん

24
ゲイの2人が歩んだ険しい道のりや、思い出が綴られている。ピエール・ベルジェのイブ・サンローランについての熱い思いがずっと語られる。サンローランを支え続けて、偉大なクチュリエとして花開かせたベルジュ。2人の50年にわたる足跡を残すために書いたのだろう。ベルジュは実業家としての実力があるが、繊細な心の持ち主でもあり、2人の事業を成功に導くためだけにサンローランを支えたのではなかった。サンローランとベルジュが愛した、マラケシュにある素晴らしいマジョレル庭園Jardin Majorelleを是非訪れてみたい。2023/10/24

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