昭和旅行誌―雑誌『旅』を読む

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  • サイズ B6判/ページ数 278p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120041822
  • NDC分類 290.9
  • Cコード C0026

内容説明

大正末に創刊して以来、昭和期全体にわたって旅行のたのしみから規範までを伝えつづけた雑誌『旅』。限りない懐かしさを感じるのはもちろんだが、それだけではなく、読めば読むほど、時代ごとの日本人の旅行観の変遷が見えてくる。戦前戦後を生き抜いた雑誌の隅々から、執筆者、読者、編集者たちの苦楽が立ちのぼってくる。

目次

第1章 『旅』の創刊
第2章 観光を啓蒙する、観光で啓蒙する
第3章 戦争による国内旅行統制
第4章 終戦と国内観光の再出発
第5章 多様化する国内観光と海外への一歩
第6章 世界とふるさとを旅する
第7章 昭和の旅の終わり

著者等紹介

森正人[モリマサト]
1975年(昭和50年)、高松市に生まれる。関西学院大学文学部卒業。同大学院文学研究科博士課程修了。現在、三重大学人文学部准教授。博士(地理学)。専攻は文化地理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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RYOyan

5
「旅」という雑誌を通して日本人の旅行という娯楽がどんなふうに発展し変化してきたのか・・・どーっと振り返ってみたら、意外と旅にロマンを求めていたのは昔のことで原点だったというのが面白かった。1960年の女性が好きな旅先ベスト24に三河湾が入っていたのは意外で、当時、売り出してた新婚旅行先も舘山寺→西浦→鳥羽コースがあったりして、新幹線開通前の三河湾観光が盛況だったことが窺える。2021/11/07

ポン・ザ・フラグメント

1
旅行するには金と時間の余剰が必要なわけですが、その二つは常に社会のどこかに不均等に集まっていました。一方、余っている金と時間を旅行で消費しろ、と言う人たち/雑誌がいます。そこにある旅行は、江戸の人々が「伊勢講」「富士講」に出かけていたのと大差ありません。他面、古来より日本人の旅には、西行や「ええじゃないか」のように「行ったまま戻らないかもしれないぜ」という逸脱/逃走の反制度的な意味もあったはず。近代がどうやって日本人の旅を制度の下へ馴致しようとしてきたかという歴史がここには記されています。2012/12/05

siomin

0
JTBが発行していた雑誌『旅』。実は1924年に刊行した歴史ある旅行雑誌で,その刊行から休刊までを追った一冊。もともとの発行元が半官半民で国民に旅の促進を啓蒙するというスタンスがあったため戦前は高所から物申す姿勢が目立ち,戦後になっても新しく旅を行うようになった若者や女性の旅に苦言を呈するのが鼻につきます。その姿勢に加え,だんだん皆が旅慣れていって旅のスタンスが多様化していったならば読者の支持を得続けることは難しくなり,休刊になるのも止む無しのではないかと思われます。 2017/11/27

じょういち

0
旅という文化の捉えられ方の変遷を、雑誌『旅』を通じて読み解く内容。タイトルとサブタイ逆の方がいいのではないか?2014/02/04

笛吹岬

0
およそ80年にわたって発行されてきた雑誌を通読したことは、労多くしてまた、功も大きい。しかし、あるタイトルの雑誌を時代に浮かび上がらせるためには、他誌との比較は欠かせないはずだが、そのような叙述はない。また、事実上の休刊をインターネットによる情報流通が影響しているという理解は平板すぎないだろうか。2011/08/29

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