内容説明
迷宮入りした17年前の殺人事件の犯人だと名指しされた運送会社社長・末松。なぜか犯行を否定せず、マスコミに「ノーコメント」と繰り返すのみ。その末松の命が狙われた。警護を命じられた所轄署の刑事・氷室は、彼の人間的魅力に惹かれ始める。一方、かつての事件で実父を殺された青年タケは、親父と慕う末松の無実を信じていた。そして新たな殺人が…。哀切なる警察小説、堂場瞬一の新境地。書き下ろし長篇ミステリー。
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年生まれ。茨城県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒業。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年秋『8年』にて第13回小説すばる新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スミレ
35
【祝100冊!堂場瞬一祭り】2冊目♪ 時効をむかえた17年前の殺人事件の容疑者が「ノーコメント」を繰り返す。 口を閉ざす理由は?事件の真相は?そして起こる新たな殺人事件…。 容疑者である末松も、真相を明らかにしようと奔走する刑事・氷室も、とても好感の持てる人物でした。 真相が明かされる直前の緊迫した感じは、リアリティーを持って伝わってきて、まるでドラマを見ているように胸を打ちました。 とても良かったです。2016/04/21
ゆみねこ
25
迷宮入りし時効を過ぎた殺人事件の犯人と名指しされた運送会社社長、末松。彼は犯行を否定せず「ノーコメント」とマスコミに告げる。前社長の死後、社長を引き継ぎ会社を発展させた末松は誰からも尊敬され、ボランティアにも係わる人格者。 彼の命が狙われ、警護と17年前の事件を探る刑事、氷室。犯した罪は許されないが、殺されても仕方のない様な人物はやはりいるのか?最後はちょっと予想外な展開だった。氷室の人物像はあまり魅力を感じないな。この作品は中。2012/01/31
カズ
15
17年前の事件の犯人だと名指しされたのに、否定もせず、ノーコメントを繰返す末松。なんで、こんなにノーコメントを繰り返すだけ!って、話が進まず、いらいら感が・・・結局、理由はわかったけど、殺人事件で父親を殺された杉沢に早く真実を言っていれば、結果もかわったんじゃないのって!罪が明るみになって罰を受けるよりも、真実を隠し、罪の意識を背負って生きていく 沈黙の檻 まさに、そうかもねl2010/11/10
zanta
12
77/2/25/2018 魅力的な登場人物。正直なところやっぱりやっちゃってた事にはガッカリ。理由はどうあれ、実行していたならノーコメントは許せない気がする。だがとても面白い。私自身はこういう几帳面過ぎる方たちは苦手ではあるが。2018/02/26
み
12
この作者さんの単発モノを読んだの初めてかも。警察モノと言うより、人間模様のって感じでした。2014/01/19