ブラジルへの郷愁

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  • サイズ B6判/ページ数 233p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784120041587
  • NDC分類 389.62
  • Cコード C0039

内容説明

1930年代のブラジル滞在中に撮影した写真180点に文章を添え、『悲しき熱帯』から39年後の1994年に刊行された写真集。先住民との出会い、ファインダー越しにとらえた彼らの表情―。20世紀最高の知性の1人とされる人類学者の若き日々の体験を鮮烈に伝える、稀有の記録。

目次

ブラジルとの出会い(サン・パウロとピラポラ;イタティアイア山;パラナ、サンタ・カタリーナ;ゴイアス)
カデュヴェオ族からボロロ族へ(カデュヴェオ族;ボロロ族)
ナンビクワラ族の世界
アマゾニアで(ムンデ族;トゥピ=カワイプ族)
帰途

著者等紹介

レヴィ=ストロース[レヴィストロース][Levi‐Strauss,Claude]
1908‐2009。1908年11月28日、両親の滞在先のベルギーで生まれる。パリ大学卒業後、リセで哲学教師を務めたのち、35年、サンパウロ大学社会学教授としてブラジルに赴任、インディオ社会の実地調査にあたった。59年、コレージュ・ド・フランス社会人類学講座の初代教授となり、73年にはアカデミー・フランセーズ会員に選出された。82年、コレージュ・ド・フランスを定年退職。著作は人類学のみならず、人文科学、思想、文化全般に広汎な影響を与えた。2009年10月30日午後、パリの自宅で逝去

川田順造[カワダジュンゾウ]
1934年(昭和9年)、東京に生まれる。東京大学教養学部教養学科(文化人類学分科)卒、同大学大学院社会学研究科博士課程修了。パリ第5大学民族学博士。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授、広島市立大学国際学部教授、神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科教授を経て、神奈川大学特別招聘教授、神奈川大学日本常民文化研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

376
魅力的なタイトル。由来はミヨーの曲名から。1930年代にレヴィ=ストロースがブラジルを踏査した(ほとんど探検行である)時の写真記録。出発はサン・パウロから。パンタナールのガデュヴェオ族、ボロロ族の地、そしてナンビクワラ族の地を経てアマゾニアへ。私たちは(少なくとも私は)、これがまさにレヴィ=ストロースの目を通して見た世界であったことに強い感銘を受ける。それはけっして珍奇なものを見る目ではないし、ある意味では驚きでさえない。かといって冷静沈着にというのとも違う。そして、ここから構造主義が誕生したのだ。2022/02/13

かんやん

21
1930年代、ブラジルを訪れた人類学者が捉えたインディオの写真集。フィールドワークというより探検、の過程もレンズに収められている。トラックで道なき道を行き、馬に跨がり、渡し船に乗り、何日も歩いてやっと辿り着く。とうに失われてしまったインディオの文化。「彼らは陽気に愛情を示し合う。2人で、或いは3人で、はばかることなく」「虱とりをしているあいださえ、自分の愛らしさを意識していた」・・・彼らは人類の未開の姿を現しているのではない。白人によって虐殺・収奪され失われた文明の僅かな生き残り・・・2018/06/21

朝日堂

19
思想家レヴィ=ストロースが、ブラジルの奥地にまで大変な思いをして訪ね行った先に発見したのは、未開人の原初の姿ではなく、白人の侵略の三百年あまりの歴史の中で、追われ、殺され、落胆して「未開になった」人々であった。とくにナンビクワラとの接触で著者を胸打った、この重いテーマは、構造の概念(『悲しき熱帯』のカデュヴェオやボロロの記述を参照)や変換のシステムとしての構造(一社会の主役的調査でなく、広域の横断調査が功を奏した)の考え方とともに、この体験が『悲しき熱帯』の中でも論じられ、彼の主題の一つになったのである。2013/07/12

まふ

5
「悲しき熱帯」のレヴィ・ストロース本人撮影の写真集。これで「悲しき熱帯」のイメージがリアルに理解できた。1935年代のブラジル、サンパウロをはじめ、クイアバなどの景色。パンタナールの状況、密林、カデユヴェオ族、ボロロ族、ナンビクワラ族、ムンデ族、トゥピ=カワイブ族などの姿が確認できた。それにしてもレヴィ・ストロースの決心探検が思い起こされてスゴイ。2019/07/15

roughfractus02

4
1930年代ライカを持って自国を出た3人がいる。キャパはスペインの市民戦争を、ベイトソンはバリ島の習俗を、著者はブラジル原住民の調査の合間に写真を撮った。撮った瞬間を保存するように前2者は写真にキャプションをつけた。一方著者は、180枚の写真の時点から離れて生じる「郷愁」の感情に包んで50年後に本にした。言葉は写真の時に届かず、断片化した写真も当時の雰囲気を再現しない。無意味な音符が並ぶような写真を眺めると音楽のように感じるのは、この本のタイトルはがミヨーの曲「ブラジルへの郷愁」から採られたからだろうか。2018/08/17

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