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出版社内容情報
今や消滅の危機に瀕している伝統技術への考察から、稲作と金属器伝来以前の日本の基層文化を探る。文化人類学者の知的冒険の書。
内容説明
ワザによって外界にはたらきかけてゆく主体的身体としてのヒト。ワザがはたらく対象であり道具でもあるモノ。ワザを媒介とするヒトとモノの関わり方への考察をとおして、稲作以前の列島文化の深層を、南海からの視点で照射する、創見に満ちた日本文化論。
目次
イネとタケの文化を問い直す
からだと道具
アイヌ、琉球文化と北東北文化
身体の使い方と文化の全体
人間と道具
ワザのハタラキ、ワザの継承
身体とワザの関わりを調べる
ワザの多様性の意味を考える
「伝統」を支えるもの
感性を支えるモノとワザ
なぜ、失われつつあるものにこだわるのか
「伝統工芸」はいま
和船と鉛釘
和船と馬
消滅に瀕している文化遺産
私たちのなかのアイヌ文化
「先住民」をめぐる問題群
なぜ、いま「文化遺産」か
無形文化遺産は生き残れるか
刳り船と接ぎ船
ヤポネシアの視点へ
著者等紹介
川田順造[カワダジュンゾウ]
1934年(昭和9年)東京生まれ。東京大学教養学部教養学科(文化人類学分科)卒、同大学大学院社会学研究科博士課程修了。パリ第5大学民俗学博士。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授、広島市立大学国際学部教授、神奈川大学大学院歴史民族資料学研究科教授を経て、現在神奈川大学日本常民文化研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
cape
9
日本人の南方起源説と二重構造論。日本や南方のモノや身体技法にその痕跡がある。しかしながら、無形文化は消えつつある。それに抵抗するのも心情としては理解できるが、文化は変遷するもの。特に重要だと思うのは、文化遺産が社会と整合的であるかどうか。日本人の起源やアイヌもそうだが、明確な境界のあるものではなく、すべては地続きだ。自分は文化人類学が好きなんだと気がついた。そうさせる面白さが本書にはある。モノとワザの原点を探る『もうひとつの日本への旅』。そこにも確かにワザがある。2021/07/15
メルセ・ひすい
0
10. 08 田植えの腰痛・・ 黒人には無い! 手が長ーいから! ノコギリ毛唐は押す・ジャップは引く?? ワザによって外界にはたらきかけてゆく主体的身体としてのヒト。ワザがはたらく対象であり道具でもあるモノ。ワザを媒介とするヒトとモノの関わり方への考察を通して、稲作以前の列島文化の深層を、南海からの視点で照射する。2008/05/25