内容説明
多くの人材を引き寄せ、覇王項羽との死闘を制した劉邦の人間的魅力とは何か。『史記』の精密な読解が導き出す、新しい劉邦像と楚漢抗争史の全貌。
目次
『史記』入門
生い立ち
人となり
少年時代から青年時代へ
沛県の亭長
夏侯嬰との出会い
咸陽への出張
呂雉との結婚
芒、〓(とう)の根拠地の建設
陳渉と呉広の反乱
蜂起
地方割拠から天下争奪へ
懐王の約
関中王劉邦
鴻門の会
西楚の覇王項羽
反攻
彭城大戦韓信の活躍
〓(けい)陽の攻防
陳下の決戦
前漢王朝の成立と書き換えられた歴史
著者等紹介
佐竹靖彦[サタケヤスヒコ]
1939年、大阪府に生まれる。62年、京都大学文学部卒業。文学博士。岡山大学講師、東京都立大学助教授、教授を経て、同大学名誉教授。この間、プリンストン大学、コロンビア大学、パリ第7大学訪問教授。ニューヨーク市立大学、北京首都師範大学交換教授。北京大学客員教授。国際学術雑誌『中国史学』編集長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュンジュン
5
「かなり大胆な歴史の復元を行なったし、そのうちの一部は、歴史学の域を超えているという批判を甘受せざるを得ないかも知れない」(あとがきより)。劉邦の年齢をかなり下げている点、かなり早い段階で天下国家を意識している点、以上2点がどうしても気になってしまう。小説家なら許されても、史家の本分を逸脱しているように思う。2020/09/02
韓信
0
おそらくいまのところ日本で一番詳細かつ濃密な劉邦の評伝。刊行時までの秦漢代社会に関する研究成果を存分に取り入れながら、劉邦が生きた環境――任侠が幅を利かせた社会風潮、反秦勢力の温床となった泗水流域の沼沢地の地政学的分析、秦代地方官衙の権力構造――を詳細に復元しており、特に劉邦挙兵前の本書前半は読み応え充分。六国の滅亡により難民が流れ込み、任侠たちがネットワークを築いて表は官衙を牛耳り、裏では反秦活動に跳梁する豊沛社会像も、そこで任侠仲間と結んで台頭していく劉邦像も魅力的。読み物としては頗る面白い。2018/10/29
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