内容説明
国際金融の世界は、あらゆる人間の営みが、為替レートや金利といった数字に翻訳されて売買されるドライなビジネスの場で、国家や政治とは無関係であるかに見える。だが実は、それは諸国の対立と協力の織りなす外交の場であり、人々のさまざまな思惑や世界観が交錯する人間のドラマの場でもある。国際金融における国家と国家の政治的関係に焦点をあてて分析した本書は、通貨外交を通して見た戦後国際政治史でもある。
目次
序章 国際政治としての通貨問題
第1章 ブレトンウッズ体制の発足とその転換
第2章 多角的協力体制の発展
第3章 ドル体制の再編成
第4章 民営化された国際通貨システムと通貨外交
第5章 グローバリゼーションの弁証法
著者等紹介
田所昌幸[タドコロマサユキ]
1956年大阪生まれ。79年京都大学法学部卒業。京大大学院、ロンドン・スクール・オブ・エコノミックスで学び、京都大学助手、姫路独協大学助教授、教授等を経て、1997年より防衛大学校教授。国際政治学専攻
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