内容説明
1899年4月3日、移民船佐倉丸が790人の日本人移民者とともにペルーに到着してから百年の歳月が流れた。当時、ペルーは隣国チリとの戦争に敗れ、新たな国づくりのただ中にあった。ペルー近現代の歴史は日系移民の歴史でもある。モチェ、チムーやインカ帝国など幾多の古代文明を生んだペルーが、植民地支配を経て独立を達成し、軍部と政党の対立などさまざまな課題を抱えながらも激動の世紀を乗り越え、二十一世紀を迎えるまでを描くとともに、移住百年を迎えた日系社会の新たな可能性に光を当てる。「遠くて近い国・ペルー」の国のかたちを描く初の通史と日系社会の未来。
目次
第1部 近代史のなかのペルー(インカ帝国とその最期;スペイン植民地時代のペルー王国;ペルー共和国の独立;カウディヨの時代;太平洋戦争前後;戦後の回復;現代ペルーにむかって;アプラ党と軍部の死闘;ベナビデスからプラードまで;第二次世界大戦後のペルー;軍事革命政権;80年代以降)
第2部 ペルーの日系社会(日米開戦から戦後復興;世代交代と日系人への道;現在の日系社会;日系人からニッケイへ)