出版社内容情報
生まれてはじめて泣くまで殴られた。その時、生まれてはじめて恋に落ちた。暴力を受けることでしか興奮できない被虐趣味を持つ私。自分でも理解し難いこの欲望を、己の中に溜め続けた日々に、突然限界が訪れた――。もっと他にやるべきことがあるような気がするけど、向き合おう、自分の欲望に!! 23歳、処女、恋愛経験なし、性的嗜好がこじれまくった作者が恋に落ちた奇跡を描く、ちょっと過激な初恋エッセイ。
ペス山 ポピー[ペスヤマ ポピー]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
17
Web版で読んでいたけれど、単行本を待ち望んでいました。ここまでまっすぐに自分の被虐指向と向き合い、なおかつそれを他人に向けて発信するのはどれだけ大変でヘヴィなことだっただろう。そしてそれを受け止めるこちらにもずしんと重い。ほんとうに人間のこういう部分は通り一遍の幼児期や過去の体験とか創作物の影響などということで説明がつくものでないことが分かる。著者と同じタイプの指向を持たずとも、自分だけのなにかを抱えている人には突き刺さる内容かと。ただし、暴力描写が受け入れられないひとは要注意。続刊に期待。2018/06/14
山口透析鉄
16
電子書籍で1・2巻を通読しました。 人間の業の深さみたいなものを感じましたね。真性のマゾヒストはやはりファッションマゾとは比較にもならなくて……作者ご本人の自己分析も確かで、読んでいてヒリヒリしましたね。 いわゆる特殊性癖について、考えるところが多い本です。また読みたいですね。2021/09/18
Ex libris 毒餃子
11
N住殿「ボコだぁ〜!」的なエッセイマンガ。ボコボコにされないとイケない、という難儀な性癖の作者の常識との葛藤がスリリング。性的衝動が解消されなければ、人間としておかしくなってしまうからとても真面目な問題ではある。作風は永山カビに似てるがあちらは家族とのディスコミニケーションが根ざしている。こちらは何に根ざしているかはこれから明らかになるのか。(そういうのはないかもしれないが)。しかし、最終的には『殺し屋イチ』の垣原みたくなるのか。2018/04/28
kenitirokikuti
7
女性の変な性癖ものを探していたのだが、かなりヘビーなのを引き当ててしまった。殴られ系マゾヒストかつ男尻マニア。処女を捨てるより先にペニバンで男尻を掘ったり、性自認は〈マゾの男性〉ではないかと告白している。彼女の説明を読む限り、海馬のあたりに異常があって、恐怖感情と自慰への依存が短絡してしまっているとしか見えない。実際そうなのだろう。また、自分から他人に触れるのは平気だが、他人から触られるのは嫌悪する、セックスや暴力そのものは嫌い、しかしボクシングを見ると股間が疼く、などすごく「病理」を感じる2018/04/09
プロムナード
6
自分らしさって何なのか、この世界で自分は何を心から求めて生きてるのか、それを見つけることは闘争なんだと思います。「なぜ自分は普通に生きていけない?」って自罰感情に向き合いながら、その闘争を諦めない作者の姿に勇気をもらえます。その闘争は、誰もが自分ひとりでやるしかない孤独な戦いですが、その悪戦苦闘の泥沼にいるのが自分だけじゃないってことが分かると救われるんですよね。「内なる本当の私」に肉薄する作者が、それでも自らを束縛し続けようとする自分自身の声とどう向き合うのか、目が離せません。2018/04/15