出版社内容情報
古事記から正岡子規まで、能から歌舞伎まで、日本の文学と芸術を、碩学があなたに解き明かす。教えてくれるのは、それが「どれほど面白いか」だ。
内容説明
誰よりも日本を愛し、誰よりも日本文学を深く究めた著者の、70年に及ぶ執筆活動のエッセンス。人麻呂、正岡子規、紫式部、樋口一葉、そして世阿彌から近松、黙阿彌まで、文学史に輝く人物はもちろん、無名でも面白い作品を残した作家、感動的な歌を詠んだ詩人たちにも光を当てた。処女作「日本の文学」を始め六篇を収録。
目次
日本の文学(日本の文学;海外の万葉集;近松と欧米の読者;啄木の日記と芸術;日本と太宰治と『斜陽』)
日本文学散歩(室町編;戦国編;江戸編;明治編)
古典を楽しむ―私の日本文学(『源氏物語』と私;平安後期の物語の新しさ;能の楽しみ;『おくのほそ道』の世界;世界のなかの近松―悲劇の条件について;歌舞伎における改作の功罪;外国人に俳句がわかりますか?;日本古典文学の特質)
古典の愉しみ(日本の美学;日本の詩;日本の詩の有用性;日本の小説;日本の演劇)
日本文学の国際性(太平洋戦争まで;自由の享受;翻訳者たちの活躍;海を渡る日本文学・日本文化)
Japanese literature
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hitsuji023
5
日本文学の先生。わかりやすい講義を聴いているかのようで日本文学への興味がどんどん湧いてくる。「源氏物語」を原文で読むなど日本人でさえ簡単にできないこと。他の古典についてもそう。頭が下がる思い。2023/12/29
あけの
5
面白かった! 近松の浄瑠璃見に行きたくなる2019/07/05
とし
5
ぶ厚さに苦戦したがやっと読了。面白かったし為になる。日本の文学史と文化史を外国人に教えてもらえる愉しみ。井原西鶴と近松門左衛門はほとんど読んだことないが、ちゃんと読んでみよう。キーンさんのことはホントに敬愛してます。2014/11/15
ふくとみん
3
後半にいくにしたがってドナルド・キーンらしくなる。「日本の文学」は外国向けに書かれているので難しいが細雪に関する記述には納得する。「古典を楽しむ」の源氏物語は出会いが語られて感動的だった。2024/01/17
とーる
3
巻末の"Japanese literature"は日本文学史が簡潔にまとめられてゐて、読みやすい。さうか、菅原道真あたりがターニング・ポイントなのか。それにしても日本の漢文の文学なんてぜんぜん読んでない自分の不勉強が…2012/03/30