内容説明
“音”の体験を軸にして、人間・文化・風土を多面的に考察した川田順造との往復書簡集。オペラの新たな理念と可能性を探った大江健三郎との対話。異分野からの提言と示唆が響き合う豊かな世界。
目次
音・ことば・人間
オペラをつくる
感想・レビュー
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毒モナカジャンボ
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文化人類学者の川田順三との往復書簡では無文字社会のフィールドワークを行う川田と西洋音楽を背骨に日本を含めた世界の音へと耳を広げ始めた武満の対話が交わされる。核心に深入り出来なかった感がある、と二人とも述べているが、それは書簡という形で交わされる時間と、声と楽器で作られてきた無文字の歴史の時間を交錯させることが難しいこともあるかもしれない。文字を知ってしまった人間の耳はどのように構造化されるか。大江健三郎との対談ではオペラが複数芸術の場として考えられる。神話としての三面記事的事件。存在しないオペラは美しい。2020/11/20
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