出版社内容情報
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引き裂かれた恋。東国への流浪の旅。在原業平を想わせる昔男をめぐる珠玉の歌物語が織りなす平安の「みやび」の世界。
目次
凡例
伊勢物語
解説(伊勢物語の世界)
附説(原伊勢物語を探る)
附録(伊勢物語和歌綜覧)
内容説明
引き裂かれた恋。東国への流浪の旅。在原業平を想わせる昔男をめぐる珠玉の歌物語が織りなす平安の「みやび」の世界。
目次
むかし、男、うひかうぶりして、
むかし、男ありけり。平城の京ははなれ、
むかし、男ありけり。懸想じける女のもとに、
むかし、ひむがしの五條に、
むかし、男ありけり。ひむがしの五條わたりに
むかし、男ありけり。女のえ得まじかりけるを、
むかし、男ありけり。京にありわびて東にいきけるに、
むかし、男ありけり。京や住み憂かりけむ、
むかし、男ありけり。その男、身を要なきものに
むかし、男、武蔵の国までまどひありきけり。〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
23
和歌の知識が乏しいため理解しきれていない話もありますが、話自体は面白いです。2023/09/02
きさき
16
★★★★★:授業で読んだ。謎が多すぎて、面白い。結局、なんの話なのか全然分かんないけど、和歌は良い感じ。2019/02/15
大阪のきんちゃん2
7
高樹のぶ子「業平」の参考資料として参照しました。 アカデミック!2021/08/05
狐狸窟彦兵衛
1
百人一首「ちはやふる」についてあれこれ調べていて行き着いたのですが、注釈や解説が親切でなんとか読み通しました。「むかし男」は、きっと業平だろうとみんな思いつつ、そうと明記していないことの不思議や、色々な人が書き足し、修正して今の形に伝わるようになったということですが、現代の「文学作品」とは随分違うのだなぁと、感心してしまいました。2024/06/28
迦陵頻之急
0
業平自身の関与も推察される原型に、周辺の趣味人たちも関わり、その後百年にわたり後人が筆を加え続け、歴史的人物としての業平と、創作、理想化された粋の具現者としての業平が混交され、日本文学の一大源流となった小さな大古典。後代の加筆では、かなり適当な歌に、かなり適当なエピソードを付け加えたような話も多く、全体としては玉石混交の感も。一方、二条妃高子、伊勢斎宮恬子、惟喬親王などを巡る、業平の生前既に伝説化していたと思われる核心的エピソードの印象は強力で、それだけで優に後世のもう一つの大古典に並び立つ存在感。2024/07/07
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