内容説明
夫の訪れを待ち、子に願いを託す道綱の母。物語のように生きることを夢みた孝標の娘。恋に歌に生命を燃やし続けた和泉式部。女たちの心もようの輝き。
目次
彼女たちの挑戦
『蜻蛉日記』の世界(『蜻蛉日記』の成長;日記文学の発生と展開;夫婦の愛情生活;物詣でと夢)
『更級日記』(物語作家の自伝;東海道の旅の記;少女の夢;信心へのうながし;信仰の日々、そして晩年)
『和泉式部日記』の世界(和泉式部の伝記と和歌;敦道親王との恋物語;手習い文)
女流日記関連年表
関連作品
女流日記を読むための本
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maekoo
6
源氏物語に影響を与えた女流日記文学の祖と、源氏物語に憧れ夢を描きながらも現実の世界でもがいた享受孝標の娘、そして恋多き和泉式部の各日記の特徴・歴史的意義・作者論等を貴重な資料や写真と共に学べる書。 この時代の貴公子の恋愛関係に女性の身分や立場により、通う・迎える・隠し据える・呼び出す・召すと言うかたちが有った事も知れ、そんな中での女性達の愛憎や想いも垣間見れます! 和泉式部の手習い文と源氏物語との関係等興味深い論も有り巻末の年譜や日記紀行文学史年表や関連作品紹介は新たな発見も出来資料としても貴重!2024/11/29
シロクマぽよんぽ
3
老いてから作者の半生を振り返る『蜻蛉日記』と『更級日記』、敦道親王の死の直後に描かれた『和泉式部日記』。空想的な『竹取物語』の後に、平安社会の現実に対峙しつつ、それを乗り越えるための物語として日記文学が成立した、という流れがよく分かった。歌物語と私家集の双方の影響によって、朝廷や家ではなく個人の内面を告白するような形式として日記文学が成立した、という指摘も頷けた。でも、紙媒体で残すということはかなり私家集に近いわけで、『蜻蛉日記』などは間違いなく兼家も読んでいる、という点には注意したいところ。2025/08/24
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