感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
崩紫サロメ
10
源平の動乱の中、非業の死を遂げた恋人への追憶。高校生の頃から定期的に読み返しているが、新潮日本古典集成&講談社学術文庫で読んでいるので、どちらも糸賀きみ江のよる訳注で、彼女の描き出す平安末期、建礼門院右京大夫像の影響は大きいと改めて思う。「今はただしひて忘るるいにしへを思ひいでよとすめる月影」などは初読のときからずっと印象に残っている。ひんやりとした追憶の歌。「有明の月にあさがほ見しをりもわすれがたきをいかでわすれむ」月とあさがお、良い。2020/06/28
Waka
3
何度目かの読了。やはり、歌はいまいち、散文が良い。インスピレーションを刺激してくれるので何度も読むけれど、どうしても、歌は好きになれない。笑。巻末の解説が有難いです。2019/06/05
すいれん
3
昔から右京大夫の七夕の星の歌が好き。夜空ぽっかりあいた心のようでいて、ものすごく冷静。後悔が滲む。学習用に古書で購入。前の持ち主の書き込みも嬉しい…お陰で値引きもあったし。巻末の勅撰集入集歌の一覧が親切。なんで星や月の歌が好きなんだろうと考えたら、同じ星や月を実際に見ているからかな?と自分で分析してみる。おしまいの定家とのやりとりも好き。2018/09/27
ユーリ
2
宮廷で建礼門院平徳子に仕えた華やかな女房時代から、平家の急転落、その後にひとり恋人だった平資盛を弔う日々、もう一度宮廷に復帰するまで、作者の人生と歌を綴った本。建礼門院の女房だったのになぜまた宮廷に復帰することになったのか不思議に思ったが、作者は藤原氏の生まれだと知り、納得。最初の若々しく期待に満ちた出仕と、後の悲しみを胸にしまいながらの再出仕の差が印象的。作者は恋人にはツンデレであったらしい。2013/03/29
Waka
1
数年前に図書館で借りて、結局2018年に購入。 「私ならこう詠む」「私ならこの処理はしない」と思いながらも、 飾らない、さり気ない詠みぶりから学ぶところも多く。 本歌取りも数多くさせていただいているし、 恋人の非業の死を経験した彼女に成り代わって連作を詠むのは私の性格と非常に親和性が高く、 短歌新人賞の30首詠や50首詠でこれまでに複数回お世話になっている。