出版社内容情報
「とっさに言葉が出てこない」「アイスブレイク的な雑談が苦手」「飲み会で昔の話ばかりする大人になりたくない」……そんな時、話題の本や漫画、最新の映画やドラマについて魅力的に語れる人は強い。社会や人生の「ネタバレ」が詰まったエンタメは、多くの人の興味も引く。ただ、作品を読み解き、その面白さを伝えるには、実は「コツ」がある。気鋭の文芸評論家が自ら実践する「『鑑賞』の技術」を徹底解説!
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
タルシル📖ヨムノスキー
20
書評家・三宅香帆さんの〝本の読み方〟の解説書。前半は技術編。後半は2022年から2025年に刊行された本、ドラマ、漫画など具体的な作品を使った応用編。読みながら確かに参考になる部分は多かったのですが、まず浮かんだのは「ここまではできないなぁ」ってこと。とにかく三宅さんが出してくる具体例とか話の持っていき方が、なんというか「頭がいい人なんだろうなぁ」って感じます。それはそうですよね。京大でずっと文学研究してきた人ですもんね。巻末にはブックガイドもついているので、気になったものから手に取ってみたいと思います。2025/09/21
しゅん
12
本の読み方を5つの段階に分け、それぞれの段階の事例を自らの批評で示す。一冊を作る際の見事な構成だと思う。「面白い話をするのにまず大事なのは比較」は実感としてよくわかる。2025/09/18
ほんメモ(S.U.)
7
新潮社の読書情報誌『波』の連載をまとめた一冊。第一部 技術解説編で、三宅香帆さんが書評を書く際に使っている技法を解説し、第二部 応用実践編は、実際に連載された書評エッセイをグルーピングして掲載しています。なので、タイトルの「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか、という問いに突っ込んだ内容ではなかったよね、とは思いました。タイトル問題はさておき、本を紹介する上での着眼点が面白いし、視野の広さ細かさを自在に調整できて、抽象化も具体化も上手く、ポイントを言語化できる三宅さん、素晴らしすぎます。面白かったです。2025/09/26
あい
7
三宅さんは、膨大な知識が頭の中で時代ごとに整理されていて、繋げることができる。書かれていないことも見つける力がある。そりゃあ話しても、書いても面白いよと思う。この本には三宅さんの読書感想文が沢山載っている。まだ読んでいない本はもっと読みたくなるし、前に読んだ本はそうそう面白かったわと思い出す。この本を読んでいるときの自分は、三宅さんが「ほれほれ〜」と猫じゃらしを振り回すのを「はい好きですー!」と飛び込んで喜んでいる猫に似ていたと思う。それぐらい楽しく遊ばせてもらえた本でした。2025/09/20
spike
4
この人の本やnote読むたびに、本当につるつるとしかもスルドく、YoutubeやPodcastで語るのと全く同じように文章を綴る人だなあと感服する。もはやあちこちで語ってるのでネタバレにはならないと思うが、5つの技術=比較、抽象、発見、流行、不易、の整理も見事。何にでも使えそう。2025/09/26