出版社内容情報
読売新聞社会部「あれから」取材班[ヨミウリシンブンシャカイブアレカラシュザイハン]
著・文・その他
内容説明
かつて日本中が注目したニュースの「あの人」は、いまどうしているのか。赤ちゃんポストに預けられた男児、本名「王子様」から改名した十八歳、バックドロップをかけた対戦相手の死に直面したプロレスラー、日本人初の宇宙飛行士になれなかった二十六歳、万引きで逮捕された元マラソン女王…。二十二人を長期取材して分かった、意外な真実や感動のドラマとは。大反響の連載をついに新書化。
目次
山で「13日間」の死線をさまよった30歳(2010)
日本初の飛び入学で大学生になった17歳(1998)
「キラキラ」に決別、「王子様」から改名した18歳(2019)
「演技してみたい」両腕のない、19歳の主演女優(1981)
延長50回、「もう一つの甲子園」を背負った18歳(2014)
断れなかった―姿を現したゴースト作曲家(2014)
福島の山荘を選んだ原子力規制委員トップ(2017)
3年B組イチの不良「加藤優」になった17歳(1980)
松井を5敬遠、罵声を浴びた17歳(1992)
この野郎、ぶっ殺すぞ―「大罪」を認めた検事(2001)〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
105
2020年頃まで、読売新聞に掲載されていた「あれから」という記事をまとめた本。山で13日間彷徨して 九死に一生を得た男性、飛び入学で大学に入った青年、キラキラネームを改名した男性、サリドマイドで産まれて映画にもなった女性のその後他、目まぐるしい社会なのでほんの1年前のことでも忘れてしまう。まして10年や、20年前のことは、問われてから薄ら思い出す程度。こんな企画はいいのだが、さて世の中の悪徳政治家や経営者に対して同様の取材をしてほしいと感じた。ところで多摩川のタマちゃんのことはもう20年以上前のことなんだ2025/02/14
ma-bo
103
読売新聞での連載を書籍化したもの。22のニュースなった人のその後を取材。キラキラネーム<王子様>を改名した男性はネットで公開されていたので読んだことがあった。「松井秀喜を5敬遠した投手」「佐村河内のゴースト作曲家」から「熊谷6人殺害事件で妻と娘たちを失った方」まで硬軟混じった内容。一つ一つは短いが丁寧に取材された事が伺える(取材期間は短くて3ヶ月、1年近くかけることもあるそう)。『人生はそれでも続く』2023/03/31
しげ
75
読売新聞の週末紙面で良く読んでいました。約30年前夏の甲子園「松井秀喜の5打席敬遠」これまで肯定出来ない側の人間で有ったと思う。本書では「軟式野球の全国大会」での死闘も語られています。全国放送も無いその戦いにどれだけの人が注目しただろう…結局自分は見たいモノを見て、勝手な価値観を要求しているだけ…と思える。そもそも勝負とは非情「勝って見えた景色も有る」と語った明徳義塾高校監督の言葉は色々な意味で深く、自分も都合の良い取捨を繰り返し生きて来たのだと思い知らされた。 2023/01/06
fwhd8325
68
報道されたニュースの中には、「その後」を追い続けていたら、と思うこともあります。ここで取り上げられた中では、マラソンの原裕美子さん。よく、この取材に応じたな、というのが率直な感想です。でも、それは事件を前向きに捉えて再出発されているからこそだと思います。最近は、人の過去にとかくうるさい面もありますが、再出発されている方々には、しっかりエールを送りたいと思います。2024/07/25
よしたけ
68
赤ちゃんポストに預けられた男児、キラキラネーム改名した青年、三沢を葬ってしまったレスラー、ムネオ名物秘書ムルアカ氏、甲子園で松井敬遠した投手...話題になった人の「その後」を追いかけた短編集。共通するのは、過去に縛られずも、経験に向き合い学びを得、今を懸命に生き、人生を謳歌していること。特に胸を打ったのは、殺人で妻と娘2人を失ってしまった男性。犯罪被害者の会に参加しても「家族全員を失ったのは私だけ」という虚しさに襲われ、今も心は晴れないが、実名を明らかにし無念さを訴え続ける。他人の人生から学ぶことは多い。2023/05/07