内容説明
修験道に目を向ける人が増えている。なぜ彼らは山に惹きつけられるのか?修験として山中を歩くと何が見えてくるのか?そもそも日本の信仰は自然とどうかかわってきたのか?日本仏教の源流とは?修験界を代表する実践者であり理論家でもある二人の高僧と「里の思想家」内山節が、日本古来の山岳信仰の歴史と現在を語り尽くす鼎談。
目次
序章 仏教と修験道
第1章 修験道と公式仏教
第2章 修験者という生き方
第3章 つながりのなかを生きる
第4章 生活の中に入り込んだ信仰
第5章 教団のない宗教
第6章 修験道と日本の近代化
第7章 神仏を失いつつある時代
第8章 悟りとは何か
第9章 行足あって智目を知る
著者等紹介
宮城泰年[ミヤギタイネン]
聖護院門跡門主。京都仏教会常務理事、神仏霊場会会長。1931年、京都府生まれ。龍谷大学卒業後、新聞社に勤務、後に聖護院に奉職。2007年、門主に就任
田中利典[タナカリテン]
京都府綾部市の林南院住職。金峯山寺長臈、種智院大学客員教授。1955年、京都府生まれ。龍谷大学、叡山学院卒
内山節[ウチヤマタカシ]
哲学者。1950年、東京生まれ。群馬県上野村と東京を往復しながら暮らしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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乱読家 護る会支持!
4
民衆に広く伝わった修験道を中心とした民衆仏教は、文献が少ないこともあり、歴史家にはあまり取り上げられることが無かった。 修験道は一般的には600年後半に役小角によって開かれたとされているか、実は古代から続く自然信仰の系譜である。 「人が生きていく上で生みだしていく猥雑性を引き受けていく宗教」 「お釈迦さまも相手にしなかった過去世の救済も視野に入れる」 「山を歩くと、死んだ親父も一緒に歩いている、先祖も一緒に歩いている。歩くことで太古からのつながりを感じれる」2021/11/08
あきづき
0
修験道の歴史と現代社会における存在意義が3人の探求者の視点から語られる。哲学者の内山節氏が、自然と人間の関係を考える生き方としての修験道という観点を軸に対談をまとめているので、実際に修験道を体験していない読者にも響く内容である。2021/02/20