出版社内容情報
単独講和と日米安保――戦後の「国のかたち」を決めたのは誰か。世界史と日本史を融合させた視点から、自主独立の意味を問い直す。
細谷 雄一[ホソヤ ユウイチ]
著・文・その他
内容説明
単独講和と日米安保―日本の「独立」とは何だったのか?なぜ非武装中立や全面講和による平和は実現しなかったのか―世界史と日本史を融合させた視点から、日本と国際社会の「ずれ」の根源に迫る歴史シリーズ第二弾。米ソの対立が深まる中、日本の独立回復の形をめぐり、マッカーサーとケナン、吉田茂とダレス、丸山眞男や吉野源三郎らが、それぞれの理想と現実を激しくぶつけ合う。呪縛を解く現代史。
目次
第4章 分断される世界(リアリズムの復権;再編される世界秩序;ジョージ・ケナンと日本)
第5章 国際国家日本の誕生(吉田茂と新生日本;芦田均の国際感覚;吉田茂と政治の保守化;冷戦のなかの日本;平和という蜃気楼;講和会議への道)
終章 サンフランシスコからの旅立ち
著者等紹介
細谷雄一[ホソヤユウイチ]
1971年、千葉県生まれ。慶應義塾大学法学部教授。立教大学法学部卒業。英国バーミンガム大学大学院国際関係学修士号取得。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。博士(法学)。北海道大学専任講師などを経て、現職。主な著書に、『戦後国際秩序とイギリス外交』(サントリー学芸賞)、『倫理的な戦争』(読売・吉野作造賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
剛田剛
4
ルトワック爺も言っていたように、「国家」の有り様を決めるのはその周辺の状況であり、「戦争」である。戦後日本は極端に言えば昭和天皇とマッカーサーという2人の怪物の合作であるが、また同時に「大東亜戦争」と「冷戦」の合の子でもある。 2021/08/20
バルジ
4
上巻にも増して「外交感覚」というテーマを強く感じた。 国際政治の奔流の中で、限られた選択肢の中から最善を選び自国の独立を希求する吉田茂の姿には胸を打たれるものがある。 変転する国際情勢の基で運命の如く自由世界へと引き寄せられた日本は幸運としか言いようがない。2018/09/03
HYdaniel
3
1〜3巻まで読み応えのある良書だった。先の大戦からサンフランシスコ講和条約に至る歴史を辿る。その時代の国際政治環境を正確に理解し、その中で日本を捉えることがいかに重要かを思い知らされた。イデオロギー的な反欧米主義から国際秩序に勝算無く挑戦することになった近衛公の不甲斐なさと、敗戦後の米ソ対立を正確に捉えて限られた選択肢の中から自主独立を成し遂げた吉田外交の対比は、あまりにも鮮やかである。日本の再軍備に抵抗し軽武装路線を敷いた吉田が、将来の軍事力強化があり得ることに言及していたのは象徴的であるように思う。2023/03/25
g_eiru
3
サンフランシスコ講和条約に対して日米間でどういうやり取りがあったかが主題 やはり戦後すぐにソ連が勢力を拡大し、中国が共産化した事と、ヴェルサイユ条約の結果ドイツが暴発したことによって日本への圧力が弱まったというのはあるんでしょうね。 しかし占領下という状況にありながらアメリカの言いなりにはならない当時の政治家達のガッツには、読んでいる間ずっと感心し続けていた。2020/01/16
takao
2
ふむ2024/06/12
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