新潮選書
シベリア抑留―日本人はどんな目に遭ったのか

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  • サイズ B6判/ページ数 438p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106037672
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0331

出版社内容情報

拉致抑留者70万人、死亡者10万人。シベリア抑留とは何だったのか。8月15日以後に起きた「戦争悲劇」の真実を徹底検証する。

拉致抑留者70万人。死亡者10万人。「シベリア抑留」とは何だったのか。8月15日の終戦後、極東地域をはじめ、ウクライナや北極圏、中央アジアやモンゴルに至るまで、散り散りに移送された日本人たち。なぜ日本人は抑留され、数年から十一年も帰国できなかったのか。飢餓・重労働・酷寒の??シベリア三重苦?とソ連の暴虐、そして冷戦下の東西対立の中で「人質」となった歴史の真相を徹底検証する。

内容説明

8月15日の後に起きた「不条理な悲劇」を知っていますか?ソ連軍によって、軍人・民間人を問わず70万の日本人が拉致抑留された。その範囲は、極東地域をはじめ、ウクライナや北極圏、中央アジアやモンゴルにまで及ぶ。なぜ日本人は抑留され、数年から十一年も帰国できなかったのか。飢餓・重労働・酷寒の“シベリア三重苦”、ソ連の暴虐、そして冷戦の東西対立の中で「人質」となった歴史の真相を徹底検証する。

目次

第1章 ロシアの領土拡張およびソ連共産主義―シベリア抑留の前史(西方東漸―アジアはヨーロッパの植民地だった;ロシアの東征と南下―樺太、千島、満州、朝鮮へ ほか)
第2章 昭和二〇年八月九日、ソ連軍、満洲に侵攻す(第二次世界大戦中の日ソ関係;ソ連の宣戦布告、そして満州、北朝鮮への奇襲攻撃 ほか)
第3章 ソ連モンゴルへ移送せよ(スターリンの極秘指令九八九八号;「ダモイ」の嘘 ほか)
第4章 シベリア三重苦(飢餓、重労働、酷寒)に耐えて(飢餓地獄;強制労働―働かざる者食うべからず ほか)
第5章 貧弱な医療と杜撰な埋葬(貧しい医療と乏しい医薬品;抑留者の身体状況、罹病、死因 ほか)
第6章 日本人を思想教育せよ(思想教育(洗脳)は主要任務のひとつだった
「日本新聞」とシベリア「民主運動」 ほか)
第7章 夢に見たダモイ(帰国)(日ソ交渉と引揚げ第一船;送還を遅らせろ―引揚げの経緯 ほか)
第8章 長期抑留者は無実の囚人だった(「戦犯」の作り方;苛酷なる受刑生活 ほか)

著者等紹介

長勢了治[ナガセリョウジ]
1949年北海道生まれ。シベリア抑留研究者、翻訳家。北海道大学法学部卒業後、企業に勤めたのち退社し、ロシア極東国立大学函館校でロシア語を学ぶ。以後、ロシア側資料も踏まえ抑留問題を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nnpusnsn1945

44
著者の歴史観が結構右派的であるのが欠点である。しかしラーゲリの設備、生活、労苦についての説明は大変詳しいので読む価値はある。収容所の区分や黒パンの区分も細かい。ロシア人と抑留者の交流も、警備兵やラーゲリ管理者とて官僚主義的な人のみではなかったと書いてある。民間人やドイツ兵捕虜にも言及があった。体験者の絵画も時折入っているため、状況の想像もしやすい。女性の抑留についても多く割かれている。なお、劇場を建設した日本兵の話は誇張されたものであり、あくまでも内外装を整えただけのようだ。2022/12/17

かいゆう

28
亡くなった人の多さとガリガリの体の写真に胸が痛む。軍管理でなく弾圧機関である内務人民委員部管理であったから、囚人と同じく奴隷のように扱われたのだ。飢餓、重労働、酷寒については知っていたが、過激な民主運動や不当な戦犯の摘発でも苦しめられていた事は初めて知った。なぜ抑留される事になったのか、シベリア抑留の前に、ロシアの領土拡張やソ連共産主義、日ソ関係についても学べたのはよかったが、著者の主観と感じる部分が多々あり、この本だけでシベリアを知った気になるのは危ないなと思った。抑留された方たちの本も読んでみたいです2015/10/07

り こ む ん

22
長い戦いだった。読んでゆくとなんと理不尽で不遇な…と感じずにはいられない。そもそも…ソ連とは戦争をするつもりはなく(できない)ましてや、何をとっちらかったか?和平交渉の仲介を依頼しようともしていた日本がだ。と、小さなイザコザは置いとくとして、何をしたか?日露の復習と自国の復興、冷戦の道具とかした抑留者の過酷さを思う…そして、死してなお、冒涜されている今、遺骨収集のずさんさは、あまりにも酷すぎる。国のために戦い、どさくさに紛れやって来たソ連に言われなき罪を被せられ、不当な抑留にあった人々2020/04/29

まおまお

6
戦争で疲弊したソ連を立て直すため劣悪な環境で奴隷として扱われた日本兵。そんな中、生きる糧になったのが劇や音楽などの文化的なもので、さらに過酷にしたのが思想教育。同じく敗戦国として捕虜になったドイツ兵の意気軒昂ぶりがすごかったとのこと。島国日本が戦争に不慣れであったこともその要因。筆者の個人的意見が散りばめられていた。戦後処理で公正な裁判が為されていないことを指摘していた。わたしとしては、どんな理由であっても戦争はだめだという意見。2015/08/12

takao

2
ふむ2022/07/29

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