新潮選書<br> 髑髏となってもかまわない

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新潮選書
髑髏となってもかまわない

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  • サイズ B6判/ページ数 173p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106037047
  • NDC分類 114.2
  • Cコード C0395

出版社内容情報

必ず死ぬ。その覚悟が本当にできた時、人の晩年は安楽になる。鴎外、漱石、子規、賢治、西行……先人たちの末期を読み、涅槃を想う。

人生の「ラスト20年」をどう生きるか? 死を覚悟した時に輝く生とは? 人は必ず死ぬ。にもかかわらず、現代の日本人は長生きこそ善とばかりに、死を不浄なものであるかの如く忌み嫌うようになってしまった。しかしかつての日本人は死生観をもって生き、だからこそ輝く晩年を送ったのではなかったか。良寛や芭蕉から鴎外、漱石、子規、茂吉、賢治まで、先人たちの末期を読み、彼らの「涅槃」を想う。

内容説明

人は必ず死ぬ。にもかかわらず、現代社会はそれが不浄なものであるかの如く死を忌み嫌う。長生きこそ善とばかりに、いつしか「老病」に怯えながら、安寧の少ない晩年を生きるようになってしまった。死を見つめながら生きるとはどういうことか?死を覚悟した時に輝く生とは?鴎外、漱石、子規、茂吉、賢治、西行、芭蕉ら、先人たちの末期を読み、涅槃を想う。

目次

序章 願はくは花の下にて
第1章 死に支度の時
第2章 失なわれた鎮魂のこころ
第3章 それでも山河あり
第4章 ローソクの火が消えていくように
第5章 漱石、最期の願望
第6章 宮沢賢治の末期の声
私の「つぶやき」―「あとがき」に代えて

著者等紹介

山折哲雄[ヤマオリテツオ]
宗教学者、評論家。1931年、アメリカ・サンフランシスコ生まれ。1954年、東北大学インド哲学科卒業。国際日本文化研究センター名誉教授(元所長)、国立歴史民俗博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

7
死を見つめながら生きることとは何かを、3.11後の日本を見つめながら宗教家が思索する。人間の致死率100%と言ったのは、養老孟司だったろうか。このことは自明のことでありながら、自分が死ななければならないということを納得できないところに人間の懊悩がある。自分自身をいかに平穏のうちに始末するか、その納得の最大のカードが自然に帰るという「涅槃願望」にあるという。うらうらとした気持ちで「花より命をぞなお惜しむべき待ちつくべしと思ひやはせし」と詠んだ西行の心境に至るには、まだまだ遠い。2013/01/20

AZUMAX

4
「髑髏となってもかまわない」とはまたすごいタイトルである。何も自分がそう思っているわけではないが、人間いつ何が起こるか分からないものである。最近はそのようなことを時々ふと考えるようになった。本書は、先人達が遺した文章(主に死期を目前にしたもの)を取り上げ、著者独自の視点からそれぞれの死への思いや覚悟を解き明かしたものである。そこで読者である我々の、生への執着や死から無意識に目を背ける態度に対して何らかの気づきを与えようとしている。著者本人が高齢ということもあり(その割に今も元気そうだが)、(続く)2012/06/24

頭の中がメルヘンちゃん

3
久しぶりに物語以外で心に響く読み物を読んだ。第二章の冒頭、死小説についてのくだりがとりわけいい。西村賢太の受賞のことばを例に挙げ、私小説を「自分の恥辱を他人事のように記してのけることをめざして滅びの道をゆく、そういう覚悟のすえに踏みきられた小説」と言いきる姿勢に感服する。重く響く良作でした2012/12/29

マウンテンゴリラ

1
一般に知られる著者の肩書きは、宗教学者であるが、本書も含めて、私が知る限りの著作からは、その枠のイメージに納まらない、二つの点が感じられる。一つは、宗教だけでなく、文学に対する造詣も非常に深いこと。もう一つは、死をテーマとした著作が多いことである。このように、宗教、文学、死、といった、近現代に祭り上げられた合理性、生産性といった価値観に真っ向から反するもの、敢えて言えば、非合理的、没生産的、とさえ見られがちなものへの眼差しを重視する作家であると感じている。そこに私だけでなく、有無を言わさず、→(2)2023/05/28

boze

0
☆☆☆☆2024/10/15

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