出版社内容情報
芥川、漱石、鴎外、小林秀雄、深沢七郎、三島由紀夫ー。近代日本文学の名作を、解剖学者ならではの「身体」という視点で読み解いた画期的論考を選書化。
内容説明
三島由紀夫の割腹とホムンクルスの関係とは。芥川龍之介はなぜ中世に惹かれたのか。深沢七郎の真骨頂は一体なにか。日本文学の「転換期」とはいつなのか。他に夏目漱石、森鴎外、小林秀雄、大岡昇平、石原慎太郎らの近現代文学の名作を、解剖学者ならではの「身体」という視点で読み直し、新たな歴史観を呈示する一冊。加藤典洋氏との対談を追加して選書化。
目次
身体の文学史
芥川とその時代
心理主義
文学と倫理
身体と実在
自然と文学
深沢/七郎ときだみのる
戦場の身体
太陽と鐵
表現としての身体
著者等紹介
養老孟司[ヨウロウタケシ]
1937年、鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。95年、東京大学医学部教授を退官し、同大学名誉教授に。89年、『からだの見方』でサントリー学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
4
ふむ2024/04/20
ohashi
4
身体と聞くと、私は、膨大な量の反復練習をイメージする。養老氏は「型」について論じている。型を身につけるには反復練習は不可欠。村上春樹氏は、僕は体を動かして小説を書いてきたというようなことを書いているし、心は脳だから臓器の一つに過ぎないし、なんというか、本書の感想にもレビューにもなっていないけど、作文や読書も身体の動きか?2014/01/28
numainu
2
評価D2016/01/05
ふくい
1
いくつか養老先生の著作を読むと「AとはBだ。だからCなんでしょ」という書かれ方が多いことに気付く。この三段論法的な書かれ方のCが非常に難しいことが多い。難しい上に突飛。しかし分かると繋がる、そういう書き方。さて、先日読んだ『解剖学教室へようこそ』は中高生向けの本だったらしく、対照的にこちらは非常に難しかった。ただやはり基本は唯脳論なのだと思う。近世から身体を喪失してきた日本人は心(=脳)によって社会を作ってきた(=脳化)。この脳化の過程における漱石、鴎外、芥川、深沢、三島の文学表現にせまるもの。2019/12/31
v&b
1
下読み+あとで抜書き2019/09/26