出版社内容情報
ナムアミダブツと唱えれば誰もが救われる――現代の私たちにとってその教えの意味は? 日本仏教の革命者のぶれない生き方を、国宝絵伝を見ながらわかりやすく説く。
内容説明
知識も修行も必要なく、「南無阿弥陀仏」と一心にとなえるだけで、誰もが必ず極楽浄土へ往生できる―。戦乱や災害が相次ぎ、人心が荒廃を極めた平安時代末期、法然(1133‐1212)は当時の仏教の常識をくつがえして万民救済の教えを説いた。厳しい求道の末にたどり着いたのは、弱い心を断てない凡夫をも救う阿弥陀仏の本願の力、すなわち他力。激しい弾圧に屈せず市井の人々に教えを広め、鎌倉新仏教勃興の嚆矢となった日本仏教の革命家にして浄土宗の租・法然の生涯を豊富なビジュアルとともに辿り、その思想のエッセンスを気鋭の宗教学者・町田宗鳳がわかりやすく解説。知の巨人・梅原猛による白熱の論考、法然ゆかりの地をめぐる紀行&ガイドマップも収録した充実の入門書。
目次
1 法然の生涯―「万民救済」に生きた日本仏教の革命家
2 法然の思想―リアリストの革新性とは
3 死の教師、法然
4 法然への旅―美作と京都に上人の足跡を辿る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ココアにんにく
2
知恩院さん祇園さんあたりに行くことが多いので読みました。図書館本。隣の青蓮院との関係や箕面勝尾時二階堂滞在など知らなかった。親鸞さんとの違いや「一百四十五箇条問答」がすごく興味深いです。Q&Aでの「教えを都合よく曲解して反社会的に…」は私も思っていました。和順会館の「一枚起請文」の写経をやりたくなりました。2016/12/20
鈴木貴博
1
法然上人入門。さすがとんぼの本シリーズということで、一枚起請文、選択本願念仏集、七箇条制誡など上人を語る際に欠かせない文書、また法然上人絵伝、早来迎、山越阿弥陀、二河白道図などの絵画その他の写真や図表が豊富で、眺めるのが楽しい。梅原先生の文章はさすがの切り口で教えられるところが大きい。法然上人二十五霊場その他ゆかりの地はほぼ訪れたつもりだったが、掲載させているゆかりの地リストでひとつ行っていないところがあった。早速訪問の計画をたてる。2020/08/19
takao
0
南無阿弥陀仏2017/01/24
くらーく
0
恨むなかれ。法然の父、時国とそれを守った法然。民族対立って、恨みによる復讐の連鎖なのではないかねえ。法然の人間性に惹かれるなあ。これ位のゆるさが宗教者には必要だと思うけどなあ。2014/09/13
Melody_Nelson
0
全体的にわかりやすいので、入門編としては良いですね。 無意識のトラウマを取り除くために念仏を唱える、という解釈が面白かったです。2014/04/14