内容説明
森に帰らなかった一人っ子タヌキの「ひとり」、子供をつれて里帰りしたキタキツネの娘、集団入院したモモンガ、溺れたカモ…今日も森の診療所は大忙し!獣医さんを困らせた患者たちの8つのストーリー。
目次
タヌキのひとり
ノネズミが残したもの
早朝の窓わくドラマー
生涯に二度だけ人にだかれたネコ
シマリスの野生
ももんぐわあだ
なんでカモが溺れるんだ!!
餌と農薬
キツネの里帰り
著者等紹介
竹田津実[タケタズミノル]
1937年大分県生まれ。岐阜大学農学部獣医学科卒業。野生動物にあこがれて、1963年、北海道斜里郡小清水町農業共済組合・家畜診療所に獣医師として赴任。1991年に退職。1966年からキタキツネの生態調査を始め、1972年より傷ついた野生動物の保護、治療、リハビリに無償で取り組む傍らで、映画「キタキツネ物語」の企画・動物監督をはじめ、テレビの動物番組の監督などを手がけながら、写真家、エッセイストとしても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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フキノトウ
37
獣医さんは運ばれてくる患者を治療してあげてるのに、痛いことをする奴だと嫌われたり、スーパー袋に頭を突っ込んだり、頭をぶつけたりしたら獣医のせいだ!と思い噛みつきにきたりと結構、獣医さんて大変だな。けど、「帰ってくる」子達が多いからちゃんと動物たちも助けてくれる人だとわかっているんだろうな。獣医さんやその家族たちが動物を見つめる目は温かで自然界を相手にしているので厳しい場面もありましたが、こちらまで温かい気持ちになりました。2014/11/16
しえる
8
北海道のペットじゃない野生動物の獣医さんのお話。野生の生き物相手ならではの苦悩や試行錯誤の経緯が書かれているけど、小難しくなく読みやすい。それから深い愛情を感じる。写真も素敵。タヌキやキツネの里帰りやカモのお話も心に残るけれど、一番考えさせられるのは餌と農薬のところかな。この御方の違う本も読んでみたくなった。2016/05/04
timeturner
6
タヌキだけでなく、キタキツネやアカゲラ、シマリス、ノネズミ、モモンガ、カモ、さらにはネコまで盛りだくさんの入退院エピソード。とんぼの本シリーズなので写真がとてもきれいで、カラー口絵が多いのもうれしい。それにしても愛情こめて面倒みてやった挙句に恨まれるなんて、獣医って割の合わない職業なんだなあ。2014/07/29
けん
3
森の獣医さん竹田津先生の写真エッセイ。本著は特に写真が美しくて、うっとり。内容は『タヌキは先生〜』と重複する部分が多いのだけど、エッセイ本だったあちらより写真が多く、中でも一人っ子タヌキの「ひとり」がカラーでたくさん見られて、実に嬉しい。2019/11/08
ビシャカナ
3
動物たちの綺麗で可愛い写真と、診療所のてんやわんやの騒動のギャップがおもしろい。そして動物たちとの悲喜こもごもがよくできた童話のように笑えて泣ける。2014/04/07