内容説明
1839年、世界の像を写す技法が、フランスで発表された。新たな視覚のはじまり―写真、誕生の瞬間である。西欧社会を震撼させたその技法は、瞬く間に世界へと伝播していった。そしてはるか遠く、幕末の日本にも…。
目次
序 なぜ写真なのか
第1章 誕生(1枚かぎりの世界を写す鏡―ダイレクトプロセス;プリントという革命―ネガ・ポジプロセス;完全への挑戦―色、動き、立体)
第2章 渡海(写真が伝えたジパング―イメージハンター来日;フォトグラフィーの伝播―幕末から明治へ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほじゅどー
11
★★1839年8月19日、ダゲールのダゲレオタイプ写真技法がフランスで発表され、西洋社会に衝撃と共に広がって行った。日本に写真が入って来たのは、発表からわずか4年後の1843年の幕末だった。2017/02/17
かす実
6
図書館の返却期限が来てしまい、あまりゆっくり読めなかった。写真には、芸術と記録という2つの側面がある。芸術面において写真の誕生は、当時の人々にとって「世界を手にすること」そのものだった。切り取り、所有できるものとしての風景は、人々の目にそれまでとは違った景色を見せたことだろう。一方の記録面において写真の誕生はもっと画期的な出来事であったはずだ。異国の文化から戦場の様子まで、生のままの風景を人々に伝え重宝された。ちなみに日本では、幕末の武士達が己の死を案じて死後もその姿を残すべくこぞって肖像を撮ったそうだ。2018/06/06
takao
1
ふむ2017/05/31
yzw
0
フランスをはじめとする欧州諸国と日本の写真に出会った時の対応の違いが面白い。また、初期の写真を熱心に追求する人々の熱意は、今簡単に写真を手にしている我々には想像もできないものである。2011/11/28
-
- 和書
- 四季のこころ