内容説明
錦の織物のように美しく彩り華やかな多色摺り木版画「錦絵」。この“浮世絵革命”の中心にいた天性の画家鈴木春信。その浮世絵ばなれした絶妙のテクニックから時代の夢のような雰囲気を反映したテーマまで、ユニセックスな美人画の逸品をぜいたくに収録して解明する。あわせて艶本の最高傑作『風流艶色真似ゑもん』を詳しくグラフ紹介。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
冬見
14
春信に春画のイメージはあまりないけれどやはり他の絵師と同じく色々描いている。他の画集を見て「まねゑもん」に興味があったこと、林先生の文章が収録されていたことが本書購入の決め手。図版の印刷の具合はあまり好みではないのだけど、よく見る画集の解説と比べると一歩踏み込んだ内容で、「ほどよくわかってほどよくわからない」かんじが知識欲を刺激されて楽しい。2020/10/01
Koning
9
江戸の絵師の中でやっぱり物凄い巨人の春信の作品を美人画と春画の2つを軸に紹介する本。表紙の2人からもうエロぃでしょ?(笑)。粋なエロさとでも言いますか。陰間の絵だったりとか、今の腐女子の皆さんの先達のような美意識とでもいいますか。考えてみれば元祖薄い本とでも言いますか(実際当時から技巧を凝らした作りだったんで、薄くて高い本だったようで)。しかし、現代かなり色素が褪せた状態での見え方と出版当時の色素が褪せてないものの違いを見てみたくなりますね。源内せんせなんかとご近所とかなんというか、時代と場所に集まるね。2013/05/28
takao
1
運慶の彫刻と同じようなポーズだな。2016/11/19
金木犀
1
1992.7初版 新潮社 とんぼの本
荒野の狼
0
2017-2018年に「ボストン美術館浮世絵名品展 鈴木春信」が日本各地で開催された折、展覧会の優れたカタログを購入したが、更に春信の理解を深めるためにいくつか購入した本の一つが本書。本を比較すると、春信展のカタログがベストであったが、こちらはオンラインでは手に入らない。入門編としてお勧めなのが「今、浮世絵が面白い! 5鈴木春信」でムック本であるため、ほぼ原寸大の浮世絵が掲載されていたり、春信の人物や作品紹介などがうまくまとまっている。それに比べて本書は、入門書としては不適で、春信の全体像は掴みにくい。2018/11/21