内容説明
怪物に餌をやるな。今ではそう言いたい。若者のカルト的人気を得る深夜放送のヒーロー〈ミスターJ〉。この“創られた天才”が、突如、自己を主張し反逆を始めた。毒舌で大衆を扇動しつつ、攻撃の矛先を意外な方向にむけた…。最も今日的な〈メディア社会の恐怖〉に挑む小林信彦の最高傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃま坊
17
ロシアウクライナ問題のコメンテーター小泉悠氏オススメ本。1970年代の深夜ラジオが若者のカリスマを次々と生み出していったことを思い出す。ジャーナリストと放送作家がタレントを見つけて、これを怪物に作り上げていく話。現代だと、SNSを使ってこれとおなじことができてしまう。架空の人物を創造し、複数のスタッフがなりすまし情報発信し、信者をドンドン増やしていく。選挙に利用されることを憂う。2025/02/15
takao
2
ふむ2024/03/23
go
2
小林信彦氏の文章は端整で心地良く入ってくる。3時間位で読んだ。これは自分としてはかなり早い。なかなか読み進められない作家もいるが、小林氏の場合はトップクラスに読み易い。村上春樹と同じくらいかな。2019/04/20
baa9r
1
つくったものが独り歩きして暴走し、誰にも止められなくなる。そんな怪物が育ってしまう世の恐ろしさを感じた。何も調べず、情報をそのまま鵜呑みにするのは楽だけど、流されないためにもしっかりと考え、調べることは大切。2019/04/30
がふ
1
伊集院光氏がラジオで好きとかなんとか言っていた本。ラジオパーソナリティの話で、前半しんどいけど、タイトル通り「怪物」が目覚めだしたら面白くなった。2010/11/27