内容説明
幕末の京都をつぶさに見聞し、のちに箱館奉行となる幕臣杉浦兵庫頭の日記には何が記録されていくのか。幕府の苦悩と動揺、ロシアとの国境交渉、死を覚悟して臨む奉行所引き渡しなどを詳細に検証。
目次
第1章 北門を守る
第2章 生い立ちと一族
第3章 尊攘の血しぶき
第4章 元治元年の政変
第5章 最後の箱館奉行
第6章 晩翠吟社時代
感想・レビュー
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hakodadi
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箱館奉行所の最後の奉行、杉浦兵庫頭誠は、幕府の目付け時代から毎日の勤務や身辺のことをほとんど欠かさず日記に残していた。日記自体は「杉浦梅潭目付日記・箱館奉行日記」として刊行されている(梅潭は雅号)が、その内容を要約し解説したのが本書。 特に興味深いのが1866年(慶応2年)からほぼ2年強の箱館奉行時代。杉浦が着任後すぐに、当時勃発していた樺太でのロシアとの紛争の処理にあたったことや箱館在住の各国領事との交友など。当時の箱館が幕府の外交の最前線であったことがよく理解できる。 慶応3年4月、樺太でのロ2010/04/08