出版社内容情報
わたしたちはどんな痛みからも解き放たれる。泳いでいる、そのときだけは。過食、リストラ、憂鬱症――地下の市民プールを愛し、通いつめる人達は、日常では様々なことに悩み苦しんでいる。そのうちのひとり、アリスは認知症になり、娘が会いに来ても誰なのかわからなくなって、ついに施設に入ることになる。瞬時にきえてしまうような、かけがえのない人生のきらめきを捉えた米カーネギー賞受賞作。
内容説明
必死で泳いでいると、束の間日常生活の悩みを忘れることができる。そのために、ほとんど依存といってよいほどに公営プールに通い詰める人々がいる。ある日、プールの底に原因不明のひびが入ったことから、スイマーたちは戸惑い、しだいにその生活と精神に不調があらわれはじめる。そのうちのひとり、力強く泳いでいたアリスの認知症は自分の名前を思い出せないほどに進行する…。ひとりの人間の過ごした時間の断片を、現代を生きる我々の喜びと苦しみに共鳴させる傑作中篇小説。カーネギー賞受賞作。
著者等紹介
オオツカ,ジュリー[オオツカ,ジュリー] [Otsuka,Julie]
1962年、戦後アメリカに移住した航空宇宙エンジニアである父と、日系二世の母とのあいだにカリフォルニア州に生まれる。イェール大学で絵画を学び、コロンビア大学大学院で美術学修士号取得。2002年、小説『あのころ、天皇は神だった』を発表、高評を博す。2011年刊行の『屋根裏の仏さま』は、PEN/フォークナー賞、フランスのフェミナ賞外国小説賞ほかを受賞、全米図書賞最終候補作となった。本作で米カーネギー文学賞受賞
小竹由美子[コタケユミコ]
1954年、東京生まれ。早稲田大学法学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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