新潮クレスト・ブックス<br> 地上で僕らはつかの間きらめく

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新潮クレスト・ブックス
地上で僕らはつかの間きらめく

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  • サイズ B6変判/ページ数 296p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784105901738
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

出版社内容情報

ベトナム生まれの詩人が書いた、文字を読めない母への手紙――。母と僕の苦難、生きる歓び。全米で話題沸騰の鮮烈なデビュー長篇。

内容説明

母に連れられ、戦後の混乱が続くベトナムからアメリカへと渡った僕。幼い僕と祖母を抱え、英語もままならない母がネイルサロンで働いて一家を支えた。異国での不慣れな生活のいらだちを息子にぶつける母。母の苦しみは、周囲の少年たちから孤立する、僕自身の痛みでもあった。アルバイト先で出会った少年との初めての恋、性のおののき…。母を苛んできた「言葉」は、いつしか僕をそのきらめきで魅了するようになる。そしていま僕は、祖母と母、自身の三代にわたる人生を、文字が読めない母への手紙として綴りはじめる―。不世出の若きベトナム系詩人が、自らの来歴を元に、優美で切実な言葉で紡いだデビュー長篇。

著者等紹介

ヴオン,オーシャン[ヴオン,オーシャン] [Vuong,Ocean]
1988年、ベトナム・ホーチミン市生まれ。幼少時に母や祖母とともにアメリカに移住。ニューヨーク市立大学ブルックリン校にて、詩人で小説家のベン・ラーナーのもとで学ぶ。現在はマサチューセッツ大学アマースト校で創作を教えている。詩作では早くから高く評価され、T.S.エリオット賞を受賞。「天才奨学金」と呼ばれるマッカーサー・フェローシップにも選ばれている。小説では『地上で僕らはつかの間きらめく』がデビュー作

木原善彦[キハラヨシヒコ]
1967年生まれ。大阪大学教授。ウィリアム・ギャディス『JR』の翻訳で第5回日本翻訳大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちゃちゃ

122
読まれることがないであろう、母への手紙。「僕」の抱える痛みは、文字の読めない母には届かない…。幼い頃祖母と母とともにベトナムから渡米し、言語、肌の色、貧困の壁に苦しめられた。その苦難の日々は、ベトナム戦争の暗い影に起因する。多感な思春期に出会った白人青年との恋。薬物の過剰摂取により奪われた彼の命と深い喪失感。繊細で鋭敏な感性から紡がれた文章は、哀切で美しい韻律を含みつつ彼が背負う生きづらさをリアルに伝える。記憶の断片を重ねるように描いた世界は、痛み故に放たれる生の一瞬の煌めきと飛翔を、鮮烈に印象づける。2022/03/27

buchipanda3

115
著者は幼い頃にベトナムからアメリカへ移住して、現在は詩人として名を馳せているそうだ。本作はそんな彼による自伝的な小説。戦争が家族に残した傷痕、さらに肌の色や性的指向の違いで揺れる自分の存在。そのアイデンティティを求めて、体の奥底から赤裸々に自身をさらけ出す文章は、生きる痛みを見せて読み手の心をえぐる。しかしその言葉は有無を言わせぬ美しさをまとっていた。痛切だが、生きることを言祝ぐようにきらめく。特に生と死と欲を半端な比喩で誤魔化すことなく歌い上げた終盤は、何度も読む手を止めて著者の奏でる言葉に身を委ねた。2022/05/10

(C17H26O4)

84
痛みで綴られた言葉だった。読まれることのない母への手紙というかたちでしか書けなかったこと。僕は文字に記すことで自分を、自分の世界を、受容し赦し癒したかったのではないだろうか。静かで透き通るようで繊細な言葉が、読者それぞれの何かしらの割り切れない思いにも光を当て、きらめかせ、昇華させるようにも感じた。2022/08/23

ケロリーヌ@ベルばら同盟

76
オーシャン、この若き詩人である著者の名からの連想だろうか、寄せては帰す波のような文章に惹き込まれ、そして突き放された。戦争。死と暴力の震源に生いたち、米国に渡った一つの家族。母国では名を持たなかった母は、自分に百合の花の名を付け、娘を薔薇と呼んだ。薔薇の息子は、文字を読めない母に宛てて手紙を書く。幼い日の記憶、祖母の物語、母への想い、戦火と貧困に踏みにじられた故国、世界最強の国の歪み。静かで、濃密な旋律で深い思索を奏でる、美しい物語。2021/10/31

キムチ

71
ベトナム戦争/LGBT.2本の骨格が立った詩的小説。換言すればアジア的モンスーンの風が流れる情景の通奏低音はベトナム戦争によりもたらされた人間の傷の痛み。映画化の話が上がっているのは当然と思われるイメージが心地よかった。オオカバマダラやバッファロー・・・ベトナム移民3世としてアメリカで育つ筆者、成長期で受ける激しい暴力の数々、農園で知り合う白人男性、そして触れ合いはセックスと形を変え溺れる日々が。しかしトレヴァーが持つ傷は彼を自滅へと運び。意外だったのはこれが最近の小説であるにもかかわらず、半世紀前の様2022/04/22

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