内容説明
ミュンヘンで再会した友人パオロは、病に侵されながら激しい恋に生きていた。生の弛緩にあらがう情熱の掟(トーマス・マン『幸福への意志』)。修道女となって不運に耐えていた未亡人ドゥボネールは、孫を護るため世間の「悪」に戦いを挑む。古い館の肖像画に刻まれた数奇なる運命(ローデンバック『肖像の一生』)。子どもたちに理解されぬ人生を選んだ母が、豊かな生の終わりに愛の手紙をつづる(ヤコブセン『フェーンス夫人』)。移りゆく人生の空に、それぞれが見つめた幸福のすがた。
著者等紹介
マン,トーマス[マン,トーマス][Mann,Thomas]
1875‐1955。ドイツの小説家・評論家。1901年の『ブッデンブローク家の人々』で文名を確立、29年にノーベル文学賞を受賞した。ナチスが政権を握ると亡命生活を送りつつ活動。文学、哲学、整治に関する評論も多数ある
ローデンバック[ローデンバック][Rodenbach,Georges]
1855‐1898。ベルギーの詩人・小説家。ブリュッセルで弁護士として活動する傍ら、ベルギー文学復興を目指す「若きベルギー」に参加。その後はパリに居を定め、故郷フランドルを背景にした作品で好評を博した
ヤコブセン[ヤコブセン][Jacobsen,Jens Peter]
1847‐1885。デンマークの小説家。大学で植物学を専攻し、藻類の採集・研究に没頭。その後文学に転じ、清新な作風で注目を集めたが、植物採集の影響で胸を病み、早世した。ダーウィン『種の起源』の翻訳も手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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臨床心理士 いるかくん
壱萬参仟縁
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