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千年の祈り

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105900601
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

父と娘のあいだに横たわる秘密と、人生の黄昏にある男女の濁りない情愛。ミス・カサブランカとよばれる独身教師の埋めようのない心の穴。反対を押し切って結婚した従兄妹同士の、平らかではない歳月とその果ての絆。―人生の細部にあらわれる普遍的真実を、驚くべき技量で掬いとる。北京生まれの新人女性作家による、各賞独占の鮮烈なデビュー短篇集。第1回フランク・オコナー国際短篇賞受賞!PEN/ヘミングウェイ賞受賞。ガーディアン新人賞・プッシュカート賞受賞。New York Times Book Reviewエディターズ・チョイス賞受賞。The Best American Short Stories2006収録。グランタ「もっとも有望な若手アメリカ作家」2007選出。

著者等紹介

リー,イーユン[リー,イーユン][Li,Yiyun]
李翊雲。1972年、北京生まれ。北京大学卒業後、96年渡米。アイオワ大学大学院で免疫学修士号取得ののち、同大学創作科修士号取得。2004年「不滅」でプリンプトン新人賞、プッシュカート賞受賞。05年、デビュー短篇集『千年の祈り』を刊行。フランク・オコナー国際短篇賞、PEN/ヘミングウェイ賞、ガーディアン新人賞、『ニューヨークタイムズ・ブックレビュー』エディターズ・チョイス賞、ホワイティング賞を受賞。07年『グランタ』が「もっとも有望な若手アメリカ作家」の一人に選出。現在ミルズ・カレッジ文学部創作科助教授。カリフォルニア州オークランドに夫と息子二人とともに暮らしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

275
今はアメリカ在住の中国人作家イーユン・リーが英語で書いた第1短篇集。すでに数々の文学賞を受賞し、「もっとも有望な若手アメリカ作家」の1人にも選出されている。表題作「千年の祈り」の中に「英語で話すと話しやすいの。わたし、中国語だとうまく話せないのよ」というくだりがあるが、それはそのまま、リー自身にあてはまるのだろう。両親の世代の文化大革命、そして自分たち自身で経験した天安門事件と、必ずしも中国にいたから語れないという事情ばかりではなく、英語で語ることで自らそのものを客体化、相対化することができるのだろう。2014/09/13

KAZOO

197
アメリカ在住の中国女性が書いた自分の故郷などを題材にしている短編集です。10の作品が入っていて、私は「不滅」と表題作がかなりよかった気がします。ほかの作品も水準以上であると感じます。読んでいて作品の場所は違うのですがインドからのジュンパ・ラヒリの作品を思い出していました。2016/10/16

遥かなる想い

168
北京生まれの作家による叙情的な短編集である。人生の黄昏を描いた作品が 多いが、心に染みるような余韻が心地良い。 現代中国に題材をおいたどの作品にも 人生への潔さと 諦念が 底に流れている印象 …中国の歴史の断片を散りばめながら、 何かを諦め、喪いながら 今を生きた 中国の 人々の 強さを 感じる…そんな印象の読後感だった。 2019/09/24

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

167
読んでいる間ずっと抑圧された世界に息がしづらかった。親と子の絆としがらみ、狭い村の人間関係、支配者と被支配者の絶対的な差、田舎と都会の空気の違い。日本でも感じるそれをぎゅっと濃縮させたような10編の短編集。重苦しく、きっと事実として近しいものがあったのだろう(今もあるのか)と思わせる隣の国の気配。儒教的考えが根深く底にある感じも伝わってきた。興味深い作品。2020/02/27

buchipanda3

120
北京出身の中国系アメリカ人作家による短篇集。彼女は母語ではなく英語で書いているとのこと。洗練された文章の中に人間味のある叙情性が感じられ印象深い余韻が残った。さらに人生観について思いを巡らせずにはいられない内容で読み応えも十分。ある篇の主人公、三三が言う、人生は理解不能な謎だと。善い生き方をしても世の不条理にさらされ、家族を理解しようとしても意思のずれが生じる。でも人生の全てを理解することに囚われなくてもよいのだ。謎なのだから。それを著者は物語を異国の言葉で紡ぎ、主観と客観を交えたことで気付けたのでは。2022/05/16

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