内容説明
なぜ小泉政権が生まれたのか、その答えは歴史の中にある―政界に深い人脈を持ち、永田町の内側に精通する知日派政治学者(コロンビア大学教授)が、55年体制から93年の自民党下野、そして現在にいたる権力闘争の軌跡を、知られざるエピソードを交えながら明解に分析する。
目次
序章 日本の政治を見つめ続けて
第1章 時代の変化に目をつむる政治
第2章 自民党一党支配の終わり
第3章 細川政権の誕生と終焉
第4章 選挙制度をめぐる政治
第5章 自民党の政権復帰
第6章 永田町の論理の終焉
著者等紹介
カーティス,ジェラルド・L.[カーティス,ジェラルドL.][Curtis,Gerald L.]
現在、コロンビア大学政治学教授、政策研究大学院大学客員教授(日本)。1964(昭和39)年の初来日以来、日本の政治を内側から見つめ続ける知日派政治学者。与野党を問わず、多くの政治家と親交が深く、その分析は独自の経験と深い洞察に満ちている。1940年ニューヨーク市生まれ。’62年、ニューメキシコ州立大学社会科学科卒業、’64年コロンビア大学大学院政治学修士課程修了、’69年同博士課程修了。’69年からコロンビア大学で教鞭を執り、コロンビア大学東アジア研究所長も12年間務めた。中日(東京)新聞本社客員。コラムニスト。ニューズウィーク誌特別顧問(日本版・韓国版)
野口やよい[ノグチヤヨイ]
1966年生まれ。時事通信社、AFP通信社勤務を経て、翻訳者、フリー・ジャーナリスト。国際基督教大学教養学部卒
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感想・レビュー
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のん
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細川政権の発足から崩壊までを中心に、自民党政治史を描く。小選挙区制は二大政党制への圧力を加える一つの要素に過ぎないにも関わらず、小選挙区制さえ導入すれば政治が変わるかのように強調しすぎたことを冷静に指摘。他にも何個かハッとさせれるような記述があった。細川政権前後の政治史の復習に良い一冊。2017/01/26
よう
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1999年に書かれたもの。細川政権の顛末を検証することで、自民党一党支配時代の日本政界の構造と、90年代に起こった変化、そして今後起こりうる動きを予測しわかりやすく論じた良書。2001年からの小泉旋風はまだ始まらない頃に書かれたもの(の翻訳)だが、その熱狂も、また現在の与党の混乱ぶり、衆院選での政権交代(恐らく)も、これを読めば何故そうなるのかよくわかる。まさに今、読むべき本。作者が日本で選挙権のない外国人だからか、いい意味で突き放した目線。政治本にありがちな、偏った主張を読まされる感が無いのがステキ。2009/08/19