出版社内容情報
いわゆる「アトランティス本」(世界には五万点あるといわれる)とは、はっきり一線を画す本である。ツァンガーは地理考古学者で、ケンブリッジ大学の上級研究員として、ギリシアのミケーネ文明のティリンスで発掘調査をしているとき、周辺の土地の深層の土心を採取して、ティリンスの町の大部分が紀元前十二、三世紀に、壊滅的な地震と洪水で埋めつくされてしまったということを発見する.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』162頁、より)
内容説明
それはトロイだった!一夜にして海底に沈んだ、謎の大陸アトランティス。哲人プラトンが書き残し、人類を呪縛し続けた「伝説」を解体し、真の地中海史を再生する知的冒険への誘い。現代地理考古学が伝説に終止符を打つ。
目次
第1章 掘り出しもの探しの名人
第2章 プラトンによるアトランティスの記事
第3章 アトランティスの記事の解剖
第4章 古代のエーゲ海
第5章 伝説の解読
第6章 『オデュッセイア』が意味を現わし始める
第7章 トロイの復元
第8章 結論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Jack Amano
2
少し古い(1997年刊)ですが、謎の大陸アトランティスについて、興味深いアプローチで取り組んでいます。このアトランティスについて記述したプラトンの著述からスタートし、偏見を取り除いて解読しようとしています。プラトン自身も、ソロンがエジプトで聞いてきた話を記載しているもの。完全に信じることも出来ないが、プラトンを完全に否定するのも難しい。そのうえで、様々な観点から検討しています。そして、アトランティスがトロイである可能性をも示唆しています。アカデミックなアプローチであり、面白いです。2025/02/20
takao
2
ふむ2022/05/31
おかまたけ
0
トランティス=トロイ説を提唱するための本ではなく、青銅器時代の地中海の諸国家の情勢を、状況証拠とテキストから 推測してみよう、という本。歴史資料との付き合い方を学ぶには最適な本かと思います。2005/06/14