内容説明
セラピストとして開業したての「私」のもとを訪れた美しきクライアント、ジェニファーは、多重人格だった。初めて目にするその症状に魅了され、翻弄された「私」は、ついにその内の一人と恋におちてしまう。治療が「成功」すれば、二人の気持ちはどうなるのか?―NYの有名セラピストが、自らの体験をもとに、治療の現場でのセラピストとクライアントの心理的駆け引きをスリリングに綴る。多重人格のクライアントとセラピストの心理的葛藤をリアルに綴ったノンフィクション・ノヴェル。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風花 kazahana
4
多重人格者とセラピーの実話。多重人格者になってしまうには幼少期の出来事が多くの場合関係しているそうです。彼女も両親から恐ろしい虐待を受けました。日本でも 虐待によって命を落とした事件があり 時々頭をよぎったりしました。六人の別人格が形成されるには それぞれきっかけがあり その苦しさや理不尽さから出来上がった人格が作られていきます。セラピストが その人格たちに語らせ 吐き出させ 涙を流させ 救っていく過程が書かれています。セラピストが言葉を尽くして語ることに感銘を受けました。脚色されていますが実話です。2021/08/15