内容説明
あなたの夢にも、人生にもそっくり!一人のあなたに似た?ぱっとしない?男が異国を旅する。『一人の男が飛行機から飛び降りる』の著者による空想旅行小説の大傑作。
著者等紹介
ユアグロー,バリー[ユアグロー,バリー][Yourgrau,Barry]
1949年生まれ。著書に『一人の男が飛行機から飛び降りる』(新潮文庫)、『セックスの哀しみ』(白水社)がある
柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年、東京生まれ。東京大学文学部助教授。訳書にポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザーほか多数
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田氏
11
「一人の男が飛行機から飛び降りる」に衝撃を受けて以来すこしずつ読んできたユアグローだが、アンソロジーを除く邦訳単行本はこれで全て読み終えたことになる。最後に読んだ本作が、最も詩的で耽美の色が強かったように思う。旅という概念がどこか孕んでいる寂しさ、侘しさのせいだろうか。夢想とも荒唐無稽とも思える数々の短編(今回、ユアグローにしては長いものが多い。三部構成25Pの”長編”もある)は、一つ読むごとに読者の心の内に影を落としていく。もう戻れない、取り返しがつかないという後悔が、己の過去に呼応して堆積してゆく。 2018/11/09
hirayama46
6
久しぶりのバリー・ユアグロー。旅をテーマにした掌編集。訳者あとがきにもあるように、読み口としては長編小説に近い感じですね。突飛さよりもまとまりを重視した一冊でした。2018/03/03
ネロリ
5
後半に向かい、『私』のダメなおじさん度が、増す。“傘がどうしても半分しか開かない”なんて、ホントにしょんぼりな気分になる。話としては、『孤独な、根無し草の男が、変てこな、大方は無駄に過ごした生涯にあれこれの災難に巻き込まれた話なんて!』が全てで、この台詞を書いてしまう著者は、柴田さんの言うとこの『嘘っぽい』とこの悪戯顔が、ひょっこり出てきた感じもする。『喰えない』という賛辞を贈りたい。2011/06/17
御庭番
3
頭が疲れてる時に読むと、????となる物語集。 それがユアグロー。 タイトルを見て、どういうおちがつく話なのか想像してみるけれど、想像通りにいかないことが多い。それがユアグロー。2023/02/26
チェリ
3
奇妙な悪夢が楽しい。柴田元幸さんの翻訳なので読んでみたいと思っていた(私にとってはハズレがない)。バリー・ユアグローは病みつきになる。2013/04/30