内容説明
ぼくはどんな大人になるんだろう―。太古の自然に暮らす少年の成長と、家族の絆を細やかに綴った感動の物語第2弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
inarix
7
収穫祭の宴にお客を招きたくなかった少年・モス。両親と喧嘩し、祭りの準備も手伝わず、彼は森の奥へと入っていく。事あるごとにみんなは「大人になったらわかる」と言う。でも、どんな大人になったらいいかわからない。みんなが望むような大人には、きっとなれない。迷い悩むモスに、森に棲むヤマアラシは言う。「あんたはあんたでしょ」。親子、友人たちとの濃やかな人間関係と香気あふれる森の中での出会いを経て、自分中心にしか物事をとらえようとしなかった少年が成長していく姿を描く『朝の少女』に続くマイケル・ドリスの児童文学第2作。2014/10/22
じょうこ
6
森の中でのサバイバル物語かと思って読んだら、大違い。精神的であり、幻想的であり、人との関わりの中で、少年の内面を描いた作品だった。原題は”GUESTS”。家に他部族と思われる客人が来る日、森に行くからこのタイトルなのかな?私も少年少女だった頃、お客様は大嫌いだった。私は部屋にこもったけれど、少女と森へ行く少年モスには冒険が待っている。そして今や大人になった私は、この本で少年少女に対する言葉や態度を学ぶ。また、沢田としきさんによる8枚の章扉と挿絵が読書を誘う。世界観が本書とぴったり。2023/01/03
めぐみ
4
小学生の頃、母に薦められて読んだ本。主人公の少年少女の気持ちがよく分かって、こんなことが書ける大人の人もいるんだなと当時思った。何か自分自身のことでモヤモヤすると今でもたまに読む。灰谷健次郎さんの訳が好き。2013/11/05