内容説明
古今東西の名作を残酷に解剖しちゃう、抱腹絶倒のパロディー、パスティーシュ集。
目次
アメリカ発見
ノニータ
もうひとつの至高天
物体
新入り猫の素描
息子への手紙
フランティ礼讃
あなたも映画を作ってみませんか
芸術家マンゾーニの肖像の再浮上による反復行為の散策のための彼の虚構化をめぐる小生の分析
ポー川流域社会における工業と性的抑圧
変則書評3篇
涙ながらの却下―編集者への読書レポート
帝国の地図
楽しみはつづかない―ウンベルト・Eの文学遊戯
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tonex
26
拾い読み。古今東西の名作のパロディ。元ネタのわからないパロディは読んでも仕方ない。▼ナボコフの『ロリータ』のパロディ『ノニータ』(少女愛を老女愛に変更)のレベルの高さから推測すると、他の作品もかなりマニアックな小ネタ満載だと思われる。▼『聖書』、プルースト『失われた時を求めて』、カフカ『審判』の書評は笑えた。2016/03/06
Fondsaule
5
★★★☆☆ 知的でありながら、品のないパロディといったところか。 2017/01/29
まさ影
0
文庫版で買い直そうか2008/12/04
wang
0
自由な視点で書かれた短編小説集。コロンブスの新大陸発見をテレビ中継するとか、現代でも使われている手法を半世紀以上前に発明している。猫視点で人間の生活を描くのは日本人が先おこして入るが、小アジアの現地人に取材したレポートが素朴な田舎のおじさんの語り口調から抽象的、哲学的思索の用語が入ってきたり、欧州が後進国で先進国である有色人種の国から調査にきたり。極め付けは紙幣を出版物だからと書評してしまう。びっくりの自由さ。2024/11/22