私の名はリゴベルタ・メンチュウ―マヤ=キチェ族インディオ女性の記録

私の名はリゴベルタ・メンチュウ―マヤ=キチェ族インディオ女性の記録

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  • サイズ B6判/ページ数 335p
  • 商品コード 9784105195014
  • NDC分類 966

内容説明

家族と共同体が犠牲になった大虐殺から、辛うじて逃がれ、国外脱出したリゴベルタは、人類学者エリザベス・ブルゴスを前に、闘いのために習い覚えたスペイン語で、生まれ育った共同体の習慣とインディオの信条を語り、解放闘争に参加することになったいきさつを述べていく。リゴベルタは、パリで1週間を、ブルゴス女史と寝食をともにし、語り続けた。そして25時間の録音テープが残った。それが同女史の手で編纂され、本書となったのである。スペインで出版と同時に、英仏両国語に翻訳され、大反響を呼ぶ。’83年度「カサ・デ・ラス・アメリカス文学賞」を受賞!

目次

家族
誕生の儀式
ナウァル
初めて農場へ・農場の生活
柳刈り・初めて首都へ
8歳・賃金労働者として働き始める
弟の死・さらに農場について
アルティプラノの生活・10歳の儀式
種まきと収穫の儀式・12歳
自然・母なる大地
娘の教育・結婚の儀式・祖先の戒め
共同体のくらし
農場での親友の死
メイドの日々
地主との抗争・CUC(農民統一委員会)結成
黙想
自衛する村
聖書と防衛
他の共同体での活動
ドニャ・ペトローナ・チョナの死
共同体に別れを告げる父
CUCの公然化
組織化活動・ラディノへの接近
拷問され、生きながら焼き殺される弟
スペイン大使館占拠・父の死
父を語る
拉致され、拷問のはてにジャングルに遺棄された母
「死」
「祭り」と「インディヘナの女王」
母の思い出
女と結婚の問題・「男性優位」について
ストライキ・首都のメーデー・教会
軍の追跡と修道院潜伏
グァテマラ脱出

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

梟をめぐる読書

10
恐ろしい本を読んでしまった。本書を構成しているのは、グアテマラ出身のインディオ女性リゴベルタ・メンチュウによる圧倒的な「語り」の力。弟の一人を農園地主による空中からの農薬撒布で失い、実の父母を軍部による拷問と暴行によって失い……そんなあまりにも壮絶なグアテマラの現実が、アストゥリアスが、あるいはカルペンティエールが悲願して果たせなかった(「魔術的」な)マヤ先住民の視点から眺められ、そして綴られていく。インディオの習俗とカトリック世界の奇妙な融和、《コカ・コーラ》に象徴される資本主義の侵入と大地の掟……。2012/01/11

KAYU

2
グアテマラでは近年まで内戦が続いていた、ということは歴史的な事実として認識していたけど、グアテマラに住む機会を得たのを機に読んでみた。眼を覆いたくなるような虐殺、拷問、強姦、、、まさかこんなにも悲惨な状況だったとは、今自分が生活しながら見る景色からは想像もつかない。著者のリゴベルタ・メンチュウさんはその渦中にいながら必死に抵抗し、命からがら国外に亡命し、この告発本を出し、ノーベル平和賞を受賞した勇気ある女性。“観光客”から一歩踏み込んでグアテマラのことをもっと知りたいという人は絶対に読むべき本です。2018/05/15

ヤマニシ

1
「この闘争でわたしが目指しているものは、植えつけられたインディオのイメージを消し去り、文化の違いから生じる摩擦と部族間の壁を取り払っていくことです。」(p218)

Arte

0
グアテマラで政府に抵抗運動をしていたインディオの半生を描いたもの。運動に差し触りがあるためか、ぼかした部分が多く、自分を最貧層の出身だとしているところや、家族の殺され方など、後に偽りだと指摘された内容もあるようだが、インディオの搾取され方や(スペイン語が分からないので、法律関係が圧倒的に不利)暮らしの雰囲気がよく分かった。しかし、著者の言う「インディオの伝統的な暮らし」というものは、ひたすら共同体の目を気にして人並みに生きるよう心掛ける、というザ・田舎生活で、とても真似したい暮らしには思えなかった。2017/08/21

mcpekmaeda

0
レポート提出が迫る中、慌てて一読。綿々、かつ、繰り返されながら語られる伝統と現実の重さに圧倒される。女性であることに立脚しつつ、戦わざるを得ない状況にあることも心から叫ぶ。平易な語り口で、善悪もはっきりしている構造なので、一見分かりやすい様に思えますが、触発されて、自分で、考えをめぐらしはじめると、キリがなくなる難しさをもっていると思います。2021/07/10

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