感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
105
19世紀末~20世紀初頭のオーストリア・ハンガリー帝国ハプスブルグ家治下のイタリア、バルカン諸国を舞台にした異色の物語。ドン・ファン(=ドン・ジョバンニ)のGを意味する主人公の「G」の恋愛遍歴を当時の混沌とした思想、社会主義運動、哲学などに絡めて語られる。だが、明確なプロットがあるわけではなく、時制も自由に飛んで、よく言えば「泉のごとく」、悪く言えば「支離滅裂に」語られる。読者は呆然と作者の言葉に追い立てられ、追いすがって何とか最後までたどり着く。独特の性的描写も、好む人と拒否する人に分かれるだろう。⇒2024/11/09
Э0!P!
2
女性の解放者、男の侮蔑者、上位構造への敵対者、新時代の担い主、Gは一体何者なのだろうか。時間を超越して永遠を掴み取ろうとでもいう真摯で破廉恥な美をめぐる遍歴。2024/04/15