帰還せず―残留日本兵六〇年目の証言

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  • サイズ B6判/ページ数 333p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104668021
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

内容説明

昭和二〇年夏、敗戦の報を開き自らの意思で帰国を拒否した元日本兵たち。過酷なインパール作戦の体験から日本と訣別した者、やむなき事情で逃亡兵になった者、インドネシア独立戦争に身を投じた者…彼らの言葉から「祖国」の意味を問う力作ルポルタージュ。

目次

プロローグ 津波と日本兵と
第1章 敗走の果てに―インパール作戦~タイ編
第2章 南方に見た夢、変わる夢―インドネシア編1
第3章 何も知らなかった、若かった―インドネシア編2
第4章 祖国啾々―ベトナム・ミャンマー編
エピローグ 約束の場所

著者等紹介

青沼陽一郎[アオヌマヨウイチロウ]
1968年、長野県生まれ。早稲田大学卒。テレビ番組制作に関わった後、フリーのジャーナリストに。犯罪、事件、食料問題などをテーマに、精力的にルポを発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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makimakimasa

15
戦後60年の時点で確認出来た全14人の残留日本兵をタイ、ジャワ、スマトラ、ベトナムと訪ねる。帰還せずの理由は実家や現地家族との関係、元々ブラジルや台湾で生まれ育った等の個人的事情の他、負けたら国は終わり、生きて帰るのは悪(むしろ残るのが本当の日本人)という強烈な意識が根底にあった。引揚船が米潜水艦に沈められるとのデマも影響。日本で苦労するより現地で楽したい、自分の自由の為、軍規を犯した脱走兵というケースも。特にビルマと対照的なインドネシアは戦闘も無く負けた実感に欠け、そのままイ独立戦争に加担する者が続出。2021/01/22

犬養三千代

9
文庫本にもなっている。たくさんの人に読んでもらえる。さまざまな理由、成り行きで戦争が終わっても帰国しなかった14人を著者は追い掛ける。それぞれの戦争体験は時折涙してしまう。暴力、負傷、恐怖。1945年に終わったわけではない。東南アジアの国々の独立戦争に関わった人もいた。この14人は比較的成功した人なのだけと「キクチ」のように孤独に野垂れ死もある。それ以前にジャングルで飢餓で無くなられた兵士にも思いを馳せたい。「人間は愛している人が多いほうが憎んでいる人が多いより、ずっといいでしょ」2020/04/16

だろうぇい

7
「南方」から復員せず、タイ・インドネシア・ベトナムに暮らしを根付かせた14名。あくまで個人に焦点をあて「なぜ帰還しなかったのか」、戦後60年目といういわば彼らの「晩年」に聞いてまわったのが本書の意義である。とはいえ、「台湾生まれの日本人」の述懐、日本が「戦後」復興に励んでいた頃インドネシアで独立闘争に参加していた話など、垣間見える歴史自体も大変興味深い。日本に対するどこか冷凍保存したかような感慨には、ブラジル移民のそれを思い出し、社会観・歴史観というのがいかに集団的に創造され変容するのか、思い知らされる。2016/05/08

JUN PRESS

3
著者がこの本を書くに至った動機、行動、現地での取材の様子なども窺えて、大変興味深く読むことが出来ました。こうした戦争に関するノンフィクションって貴重だし、時間との戦いの面もあるだけに、著者のご努力に敬意を払いたく思います。意味のあるいい仕事です!2011/10/27

shizzy

2
すごい本だった。個人個人のドラマティックな人生もすごいし、時代の流れもすごい。私の知らなかった戦争の事実が沢山書かれていて、是非皆に手にとって読んで欲しいと思いました。人はいつでもどこでも周りと関わりながら、影響しあって生きてるのです。2009/07/15

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