出版社内容情報
見届けよ、ミロの最後の闘いを。桐野夏生の傑作ノワール・エンタメ最終幕! 私の愛した男たちは皆行ってしまった。私の魂を受け止めてくれる相手はもうどこにもいない――衝撃作『ダーク』から20年、村野ミロは生きていた。そして息子のハルオは「悪」を知る旅に出るが……。息子を守るため、凍る火の玉、ミロの最後の闘いが始まる。圧倒的迫力で描く、著者渾身のエンタテインメントの結末は。
【目次】
内容説明
衝撃作『ダーク』から20年、村野ミロは生きていた。沖縄で育てた息子のハルオは20歳になり、「悪」を知る旅に出るが…。息子を守るため、ミロがとった最終手段とは。圧倒的迫力で描くサスペンス長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
183
桐野 夏生は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。久々にてシリーズ終結、正にダークネス、邪悪な人間のオンパレード、人間の業の深さを感じる作品でした。続編もありそうなエンディングです。https://www.shinchosha.co.jp/book/466705/2025/08/13
ナミのママ
83
〈探偵ミロシリーズ〉最終話。20年ぶりに登場したミロは60歳になっていた。舞台は那覇、あの息子ハルオは20歳になり医学部に通う大学生。なにもかもが順調で幸せに感じる設定だ。しかし大阪の刑務所に服役していたジンホの釈放が近づいたところから物語は動き出す。ミロとジンホの間の20年は長かった、人は変わる。それはまたハルオの運命を狂わせてゆく。全シリーズの中でこの作品が一番強烈だった。が『ダーク』を読んでいないとわかりにくい気がする。23年ぶりの続刊であれば今までのあらすじは書いて欲しかった。2025/08/02
のぶ
64
ミロシリーズの最終巻という事ですが、自分が「ダーク」を読んだのが2002年で、村瀬ミロの事はほとんど覚えていないので、淡々と進む展開になかなか入り込めなかった。ミロがどんな人物だったのか、何らかのとっかかりがあると理解しやすかったかもしれない。単にハルオの物語だと思って読み進めたらそれなりに楽しめたけど。2025/08/08
hirokun
37
★4 私は残念ながら前作を読んでいないこともあり、少し話の内容についていけないところもあったが、500ページの長編にも拘らず、ストーリーに引き込まれ一気読み。桐野さんは新刊を中心に読んでいる作家さんで、時には何を言いたいのかよく分からない作品に出合うこともあるが、この作品はサスペンス小説として十分に楽しませてもらった。2025/08/26
ぐうぐう
31
23年後の、まさかの「ミロシリーズ」続編。『ダーク』から『ダークネス』へ。『ダーク』で行き切ってしまったミロを描いた(ミロの破壊的な行動はミロの解放であり、ある意味、小説家としての桐野夏生の解放でもあった)あとに、一体何を語ることがあるのだろうか。答えは20年という時間にある。子を生み、母となったミロ、その20年後を想像した時に、書くべき物語が桐野夏生に見つかったということだ。あるいは、ハルオという20歳の息子を想像した時に。(つづく)2025/08/25