内容説明
小脳出血で入院中に脳梗塞を起こし、半身不随になった妻みな子。その看護、リハビリに明け暮れた毎日の克明な記録。
目次
一九九六年(歩いてこの病院を出るか、それとも最悪の状態で病院を出るかの確率は五分五分だ…;みな子が電話に出て「早く来ないと私は死ぬわ」と言う。何事かとすぐに家を後にする。 ほか)
一九九七年(悲惨な年が過ぎて、もっと悲惨な年になるかも知ない新年が始まる。最初のみな子の言葉は…;「あなたは利雄ではない別の人。利雄はどこかで寝ているに違いないから、呼んで来て」 ほか)
一九九八年(プールの中ではもう少し身体が動かせると期待していたらしく、その夢が破れたようで哀れだ。;母の通夜の式場に向かう。みな子は「おばあちゃん、ご苦労さま、ありがとう」と涙声… ほか)
一九九九年(みな子は、よくもこの荒涼としたアラスカの地に青春を埋めたものだと感慨深げ…)
著者等紹介
大庭利雄[オオバトシオ]
1929年千葉県生まれ。東京大学工学部応用化学科卒業。20歳の時に椎名美奈子と出会い、1955年に結婚。1959年、仕事の関係で米国アラスカ州シトカ市に移住(1970年7月まで)。57歳で会社をやめ、大庭みな子の秘書役を務めていた
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