出版社内容情報
佐々木 譲[ササキ ジョウ]
著・文・その他
内容説明
定年後の嘱託も辞め、独り暮らしの沖本信也。そこに幼い少女を連れた女性が現れた。逃避行をしている、という。テロと銃撃が頻発する日本で、信也は二人を守り抜くと決断した。役所勤めの経験を生かし、意外なルートで軍事境界線を突破、あらゆる危機を回避していく―。なぜそこまで身をかけるのか?銃撃音の真っ只中で絞り出した言葉が、嗚咽と血とともにほとばしる!圧巻の幕切れに心が震える、ベテランの新たなる高み。
著者等紹介
佐々木譲[ササキジョウ]
1950(昭和25)年、北海道生れ。1979年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞。1990(平成2)年『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞を受賞。2010年『廃墟に乞う』で直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
211
佐々木 譲は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、近未来ディストピア逃避行小説でした。東京の街の描写(特に地下鉄関連)が、現代に極似しているのが不思議です(笑) https://www.shinchosha.co.jp/book/455512/2022/09/23
のぶ
100
最近の佐々木さんらしい傾向の作品だった。舞台は近未来の日本で、国は内戦状態にあった。主人公は福島の二本松で隠居生活を送る沖本信也。政府側の地上軍、民兵部隊、平和維持軍が入り乱れる状況下で、酒井真智とその娘、由奈が沖本の下へと救済を求めてくる。テロと銃撃が横行する中で、信也は二人を守り抜くと決意し、役所勤めの経験を生かして二人を安全な場所へ送り届ける逃避行が始まった。ストーリーはスリリングで、文章も読みやすいのだが、内戦の起きた経緯とかが説明されず、ひたすら進行する物語にちょっと混乱した。評価は中の中。2022/09/02
雅
66
近未来の日本は大地震、感染症、内戦が起こるという設定のサスペンス。世界観を掴むのに手間取ったけど途中からはスラスラ読める。2022/10/09
ren5000
45
内戦を繰り返す分断国家になってしまった日本で旧友の母娘との逃避行のお話。主人公が爺さんだけに熱いハードボイルドがなく読んでてあまり緊迫感を感じず、東京に入った後は行ったり来たりで盛り上がりに欠けた。ラストも中途半端だし沖本の気持ちや考えも共感できないまま読了。もうちょっとなんとかならんかったんかな〜残念でした。2023/01/24
はれひめ
42
歴史改変シリーズの近未来バージョン。混乱している世の中の設定とは言え、高価な中国産はもはや手に入らない日本の凋落ぶりに落胆。思想のために逃亡を謀る真智が稚拙で、賢い娘由奈に比べてイライラが募る。主人公沖本の過去は逃避行の手助けをする時点でお察し。辛口レビューになりましたが次作も読んでしまうと思います。2022/12/07
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- 和書
- 科学の価値 岩波文庫