タタド

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  • サイズ B6判/ページ数 158p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104509027
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

20年連れ添った夫婦とそれぞれの友人。50代の男女4人が海辺のセカンドハウスに集まってくる。海藻を拾ったり、夏みかんを齧ったり、あどけないような時間のなか、倦怠と淡い官能が交差して、やがて「決壊」の朝がやってくる―。川端賞受賞作「タタド」、海辺で夫を待つ女と、風、砂、水、光による侵食を描く「波を待って」、同級生夫婦の家での奇妙な住みこみの仕事を描く「45文字」。全3篇収録の傑作短篇集。川端康成文学賞受賞。

著者等紹介

小池昌代[コイケマサヨ]
1959年、東京生まれ。津田塾大学国際関係学科卒。97年『永遠に来ないバス』で現代詩花椿賞、2000年『もっとも官能的な部屋』で高見順賞、01年『屋上への誘惑』で講談社エッセイ賞、07年「タタド」で川端康成文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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showgunn

20
タイトルからして何の事かよくわからないように(地名をカタカナで表記したらしいけど作中にその説明はなし)収められた三編ともどこか掴みどころがない話で、しかしぼんやりしているようで一瞬の冴えで本質にたどり着いてしまうような小説でした。研ぎ澄まされている。 そして全てに通底して死の気配が漂ってる感じがあり、ちょっと精神が不安定になりました。2017/02/09

ふじ

17
日常のなかに潜む、不思議な、不穏な感覚。ひとつの言葉では括れない、矛盾を孕んだ人の心がさりげなく表されているところが、とても好き。2015/12/26

ソルト

16
とても叙情的。センテンスが短く詩のようでかみしめながら読みました。午睡にみる夢のようです。靄の中にいるように距離感が無く、とらえどころのない話なのに、目覚めた後もずっと頭の中で存在する感じ。言葉によって引き起こされる感覚はとてもリアル、でいて、離人感というのか、自分を、離れたところから、自分で見ている感じがつきまとう。短編が3つ。どれも好きです。2017/04/28

プクプク

11
「タタド」ある程度年齢をすぎると男でも女でもなくなっていくのか…どこかにそうでない部分が残っているのかよくわからない世界だった。「波を待って」の海辺で待つ女性の気持ちや思いをこうも詳細に表現できることに感動する。そう!そう!そう!女性の考えを分析し文章にする小池表現に魅了される。「45文字」も不思議な話。フェルメールやゴーギャンの絵画のキャプションを考える仕事に一瞬マハさんかと思った。三編ともにひらがなやカタカナ表記される名詞にふと読み返しふと立ち止まる瞬間があって興味深かった。2014/09/27

まみ

11
小池さんの作品を読むのは3冊め。前2冊から、濃密な空気を書く人だと思っていたけれどこちらは淡い感じだった。タタド、って何かなと調べたら浜の名前だったのですね。多々戸浜。3作収録、前2作は砂のざらつきを感じる海辺の話。最後の「45文字」は言葉を扱う作品で、これがいちばん好みだった。ここではないどこかを旅してくるような1冊だった。2012/10/29

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