どこにでも神様―知られざる出雲世界をあるく

野村 進【著】

新潮社（2018/08発売）

• サイズ 46判／ページ数 320p／高さ 20cm
• 商品コード 9784104445028
• NDC分類 382.173
• Cコード C0095

出版社内容情報

庭に神様、巨木に神様、膝小僧にも神様がいる──。出雲、石見、境港を旅して発見した、神々と人が織りなす「驚きの暮らし」とは。庭に神様、巨木に神様、膝小僧にも神様がいる──。発見と驚きの出会い旅。紅白歌合戦より人気の神楽、「荒神様有」と記された不動産広告、神話を信じて卵を食べない町や、「妖怪さん」のおかげで栄える町。出雲・石見・境港。そこには神様と人が織りなす暮らしがあった――。とっておきの話と出会いから見えてくる縁の不思議、心に沁みる生き方、意外なしたたかさとは。日本人の奥深さに触れる一冊。

野村 進［ノムラ ススム］
著・文・その他

内容説明

紅白歌合戦より人気の神楽、「荒神様有」と記された不動産広告、神話を信じて卵を食べない町や、「妖怪さん」のおかげで栄える町。出雲・石見・境港。ここでは折々の暮らしのなかで「神様」が顔を出す―。とっておきの話と出会いから見えてくる縁の不思議、心に沁みる生き方、意外なしたたかさとは。目に見えない世界の奥深さが思いがけない感動を呼ぶ一冊。

目次

序章　スーパーから“異界”へ
第１章　出雲はバリ島である
第２章　“神社ガール”と出雲をめぐる
第３章　神様に会いたい
第４章　水木しげるロードの謎
第５章　「懐かしさ」の戦略
第６章　“出雲世界”とは何か
第７章　石見神楽は闇に輝く
第８章　神になり、鬼になり

著者等紹介

野村進［ノムラススム］
１９５６年東京生まれ。ノンフィクションライター。拓殖大学国際学部教授。在日コリアンの世界を描いた『コリアン世界の旅』で大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞をダブル受賞。『アジア　新しい物語』でアジア・太平洋賞受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[booklight]

ひいきの作家さん。今回は石見神楽、出雲、水木先生の3本柱。この地域では戦隊ヒーローものより園児に人気のある石見神楽について、珍しく興奮気味。しっくりこない出雲大社周辺に娘紹介の文学部女子大生を連れて回ってレポ。パワースポットの女子人気は、実は闇がリアルで深い。妖怪ロードからの水木先生論も、実際に一番弟子の京極夏彦にインタビューをしていて興味深い。ともあれ、「見るべき程の事は見つ」という諦観から離れられた様子が嬉しい。つるつると出てくる今までの経験が厚く広く、そういう日常が楽しそうに描かれていた。いい感じ。

2019/08/25

[おさむ]

出雲大社や石見地方における、生活に根付いた信仰を探るルポエッセイ。あの水木しげるさんの故郷でもあるんですね。若い女性を中心に御朱印帳ブームだが、いわゆるスピリチュアルとはちょっと違う感じがしていた。本著で「日本全国どこへ行っても同じ風景に飽きている。だから、その土地の文化が凝縮されている神社が新鮮に映る」「神社は心のお医者さん。心配事を神様に預けて少し元気になって帰っていく」とあり、首肯しました。ブームは当分続きそうですな。

2018/11/06

[あまね]

旦那さんが『書評に掲載されていたから借りてきた』と言った本を見て『ラッキー！』。ずっと気になっていた本なのでした。本書は、①出雲大社をはじめとする様々な神社とそれらを巡る神社ガール②水木しげるロード③石見神楽の三本柱から成り立っています。民俗学あり、歴史学あり、地域振興ありと人肌の温かさが凝縮されています。それはあとがきに・多幸感の空間・目に見えない世界との共存・身近な神々との暮らし・敗者や滅ぼされし者の視点・老いの復権と書かれていますが、心に残る思いはそれだけではないような。一読の価値アリだと思います。

2018/11/07

[Koichiro Minematsu]

出雲には見えない世界を大切にし、生活や人生そのものにも生きづいている。

2019/06/22

[びぃごろ]

ノンフィクション。とても読み易く、神々がおわす出雲に行く前には読んでおきたい一冊。①出雲地方の様々な神社②境港の水木しげるロード③岩見神楽などを紹介されている。見えないものの力が強いこの土地で生まれてみたかった･･･大和朝廷と出雲。表と裏。知らなかった事が繋がりさらに興味が増す。

2019/02/16