移民環流―南米から帰ってくる日系人たち

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104121021
  • NDC分類 334.41
  • Cコード C0095

内容説明

現在、日本に暮らすブラジル人は約30万人。ペルーも加えた南米出身の外国人登録者数は37万人を超え、中国人や在日韓国・朝鮮人に続く三番目のエスニック集団を形成している。彼らの大半が日系人だが、日本人社会との交流はきわめて希薄だ。日本からもブラジル人コミュニティーからも見えない存在になっている彼らの実相は―日本とブラジルの両国で彼らの姿と声を丹念に掬い上げたノンフィクションの労作。

目次

第1章 惨劇の裏側
第2章 日系二世の母と暮らすために来た日本で
第3章 強盗「容疑者」の故郷を訪ねて
第4章 デカセギからの帰国者たちの生活
第5章 百年後の光景
終章 次世代へ

著者等紹介

杉山春[スギヤマハル]
1958年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。これまで、子育てや親子問題、あるいは子殺しなどをテーマに取材・執筆をしてきた。著書に、『ネグレクト 育児放棄―真奈ちゃんはなぜ死んだか』(小学館。第十一回小学館ノンフィクション大賞受賞作)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

110
ブラジル移民たちの子孫 在日ブラジル人社会の実状に取り組んだ作品である。 日本での成功を夢見て 移住した人々の 実態が いくつかの事例とともに 描写される。少子高齢化が進む中、 外国人移民たちと どう共生すべきなのか …ひどく現代的な日系人との共生の課題を 掘り下げた、作品だった。2022/07/30

CCC

7
過酷で行き詰まり感のある話が多かった。ややミクロ視点寄り。印象に残ったのはいじめの話と学力の話。日本では過半数がいじめに遭っていた、ブラジルでいじめに遭った人の話は聞かなかった、という話は深く突っこんだら複雑な話になりそうだけど、わかる気もする。学力については、日本に行くと子供の学力が急に下がる現象があるという。すべてにおいて日本語が前提になるため、すべての教育が停滞する状況になるようだ。ブラジル学校が金持ち向けになっていなければ、選択肢になったのだろうか。2020/07/31

takao

2
ふむ2022/11/01

戸川 純子

2
日系人が日本で生活するようにはなったものの、仕事を持った親たちが仕事を頑張りすぎて、子供たちの教育に手が回らないというお話。彼らは実は貧しいのではないということが興味深かった。問題は、外国籍のままでは義務教育の枠組みから外れて、学校に来なくなれば自然と「除籍」となること。そして、働きすぎる親たちは家にいない為、子供と会話がない。そのため、語彙が増えない。日本で育っても日本語が話せないまま育ってしまう。日本人として義務教育を終えても中卒では生きにくい時代に、これから移民を迎えたらどうなってしまうのだろうか。2015/02/12

ざまたかこ

2
「ニューカマーの子どもたちには、自分を語る言葉を身につけ、安心して、幸せに生きて欲しい。どのような出自であれ、どのような文化を持つものであれ、一人ひとりの子どもが自分を肯定して育ち、自信を持って未来を拓いていけるとき、私たちは豊かになる。」 学校現場で、数名の「ニューカマー」と呼ばれる子どもたちに出会ったことがある。どこかつかみどころがなく、親しくなったかと思うと去っていく彼らに「お国柄?」などと思っていたのだが、彼らの背景にこれだけのものがあったのかと思うと、今ならもう少し違う対応ができたかも、と悔や2014/12/07

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