内容説明
人目を避けるように、ひっそりと森の奥深くで息をひそめている“黒い家”。連れ去られた子供たちがこの魔性の家に囚われていると確信し、捜索に向かった人々は、幻影の恐怖と牙をむく魔犬に次々と返り討ちにあっていく。そして、悪夢の鍵を握る老人の言動…。ジャックの異界への旅の終焉に待ちうけているものは?壮大なる冒険ファンタジーがついに迎える未曾有の大団円。
著者等紹介
キング,スティーヴン[キング,スティーヴン][King,Stephen]
1947年メイン州生れ。貧しい少年時代から恐怖小説を好む。高校教師、ボイラーマンといった職業のかたわら執筆を続け、’74年に『キャリー』でデビュー。好評を博し、以来『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを生み、“モダンホラーの帝王”と呼ばれる
ストラウブ,ピーター[ストラウブ,ピーター][Straub,Peter]
1943年ミルウォーキー生れ。在学中より詩作に励み、『ジュリアの館』でホラー小説界にデビュー。’83年英国幻想文学大賞受賞
矢野浩三郎[ヤノコウザブロウ]
1936年福岡生れ。明治大学卒業
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
散文の詞
111
登場人物の多さで読みづらいけど、謎解きの面白さがあって、案外サクサク読めます。 ただ、ダークファンタジーですか?“彼方の国”に行ってからの話がぶっ飛びすぎてて、ちょっとついていけません。 でも、なんとなく、これって、江戸川乱歩なんですよね。かなり、理不尽なストーリーなんだけどむちゃくちゃ面白い。 個人的には、最後がちょっと残念だけど、これは、作家さんの思惑だろうから、好みが分かれるだろうな。 2020/07/13
Tetchy
101
ある意味それまでのキング・ワールドを盛り込んだオールスターキャスト的な作品だが、本書でも前作のウルフに匹敵する、非常に印象強いキャラクターが登場する。それは盲目のDJ、ヘンリー・ライデンだ。よくもまあキングはこんなカッコいいキャラクターを創り出すものだ。どれだけ彼の頭の中にはこんな魅力的なキャラクターが住み着いているのだろうか。しかしストラウヴも鬼籍に入ったため、この世界は本書で終わり。しかし恐らくはテリトリーと『暗黒の塔』の世界とのリンクが判ったことから、『暗黒の塔』こそが続編になるのかもしれない。2023/06/04
icchiy
17
キングとストラウヴの伝説的な共作、タリスマンの続編です。夏休みに読むにはピッタリのダークファンタジー。巻末の解説にはストラウヴ色が濃いって書いてあるけど、いやいやキング色濃厚です。だって至るところにダークタワー世界が滲み出てるじゃないですか。全ては「カ」には逆らうことはできないないという事実。そういう観点からいうと結末も納得です。キングの暗黒の塔シリーズを読まれた方は言うに及ばず、そうでない方にもオススメなダークファンタジーの一冊。感涙ものです。2020/08/15
siva
16
タリスマンの続編、といっても随分年月がたっている。 前作少年だった主人公が大人になって連続殺人の捜査に巻き込まれる。 タリスマンの内容は薄ぼんやりとしか覚えていないけれど、読みづらかった記憶が。この本もやはり上巻が読みにくい。ストラウブの文体がしんどいんだろうな。ただし、内容的には前作よりダークファンタジーでキング感たっぷり。ハッピーエンドじゃないところも。後書きで「読まれていない」とあるダークタワーシリーズ、去年重い腰を上げて全巻読了、ブラックハウスとかなりリンクしてるので読んどいてよかった。。2014/09/05
**くま**
12
上巻よりホラーでファンタジー。「ダークタワー」との関連がとても多いので、「ダークタワー」シリーズ読んでからのほうが絶対わかりやすいし楽しめます! 「ダークタワー」外伝(「エルーリアの修道女」)に絡んだとこもありますね。もちろんこれの第1弾だった「タリスマン」は読んでおいたほうがいいに決まってるし、熱心なキングファン向けの作品かもしれません。刈り込み鋏を持ったバーニー(老人ホームに住む85歳)がめちゃ恐い! 凶暴! でもいちばん恐いのがタイラー少年の反撃! 「千切れた」とか「引きずり出した」とか・・・強烈!2014/05/14