出版社内容情報
政争で命を狙われる周王朝の王子が姿を消した。群雄割拠する世界で彼を待ち受けるのは――宮城谷歴史文学の新たなる幕開け。
内容説明
周王朝末期、弱体化した国を守るため人質として燕に送られることになった王子稜。その途上、父王から託された燕王宛の書翰の内容を知る。そこには、これを持参した王子を殺すようにと書かれていた。王宮内の陰謀に巻き込まれたことを知った稜は、身分を捨て運命を天に委ねることに決める。折しも、強国趙の幼い二人の公子を賊の襲撃から助けたばかり。二公子の臣下の求めに応じ、王子稜は商人「公孫龍」として趙の都を目指す。そして運命は変転を始めた―。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
44
期待の新シリーズ、完結編がでたので読んでみた。清新な貴種流離譚。本来は天下を治めるべき、周の王子。楽毅や趙の武霊王、恵文王など宮城谷さんの小説でこれまで描かれていた人物の再登場も嬉しい。2025/05/03
shikashika555
39
他の宮城谷作品にも出てくる平原君の食客として知られる人物の十代の頃から物語は始まる。 父王に愛された英邁な王子であったが、陰謀のため賈人に身を落とし生きる意味を探す。 若く健康で真っ直ぐで愛情深い。気持ちが良いほど愛すべき人物として描かれる主人公の おそらく長い旅路の始まり(「巻一」である。何巻まで続くのか)を一気に読み切った。 宮城谷さん、前作『孔丘』でも感じたけど 格段に読みやすくなってる。 初期の作品は淵の水に似てて 掬うのにやや難渋したが、最近は流れる水を下流で受けるだけでストーリーが把握できる。2021/05/20
まえぞう
33
公孫龍というと、「白馬は馬にあらず」を思い出しますが、まだそんな感じではありません。春秋戦国の人物をいきいきと描き出していたはじめの頃の宮城谷さんに戻ったようで、これからの展開が楽しみです。楽毅や孟嘗君といったかつての主役が脇役として描かれているのも懐かしいです。2021/01/26
ひさしぶり
28
春秋時代。周の王子稜は陰謀により命を危うくし商賈 公孫龍として生きようと決意する。旅が始まり脇を固める✨忠臣、出会う✨名君が魅力的。勿論、龍氏は天意を背に正道をゆく。面白くない訳がない!もう続きが気になってたまらない(>_<)2021/05/20
星落秋風五丈原
24
周の公子がひょんなことから疎まれて国外に出たことで様々な人に出会ってゆく成長譚。2021/02/12
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