内容説明
意外と知られていないヴィクトリア朝時代の絵画。当時の風俗を写実的に描き、思想すらも表そうとしたそれらの絵は、絵を「解読する」面白さに満ち満ちている。本書では、駅や列車を描いた絵から当時の旅を再現し、家庭教師の絵から女性の置かれた状況を語り…。200点近い図版から浮かび上がるヴィクトリアンたちの生活。
目次
ヴィクトリア朝もしくはアルバート朝の英国―ジョージ・ギルバート・スコットほか〈アルバート公記念碑〉
プラットフォームの人生模様―ウィリアム・パウエル・フリス〈駅〉
働かざる者食うべからず―フォード・マドックス・ブラウン〈労働〉
自立させられた女たち―リチャード・レッドグレイヴ〈かわいそうな先生〉
屋根裏の殉教者たち―ヘンリー・ウォリス〈チャタートン〉リチャード・レッドグレイヴ〈お針子〉
永すぎた春―アーサー・ヒューズ〈長い婚約〉
上流家庭に吹くすきま風―ウィリアム・クウィラー・オーチャードスン〈功利的結婚〉
幸は田舎家にあり―トマス・ウェブスター〈おやすみなさい〉〔ほか〕