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水曜日の凱歌

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  • サイズ B6判/ページ数 525p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784103710158
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

昭和二十年八月十五日、男たちは負け、今度は女たちの戦争が始まった――。〈慰安婦〉として進駐軍へ差し出された彼女たちを描く巨編

昭和二十年八月十五日、男たちは戦争に敗れた。今度は女たちの戦が始まる! 敗戦国日本は、男を戦地に駆り出す代わりに、女たちを進駐軍に〈防波堤〉として差し出した――。十四歳の鈴子は、RAA(特殊慰安施設協会)の誕生に立ち会う運命となり、自分の母親を含む、さまざまな階層の女たちの変化と赤裸々な魂を見つめていく……。国家、女と男、アメリカ、自由、そして現在までを問う現代史秘譚刊行。

内容説明

RAA(特殊慰安施設協会)―敗戦国日本は、進駐軍兵士からの性の防波堤として女たちを差し出すことに決めた。戦後裏面史にひっそりと残る彼女たちの孤絶・凄惨な戦いから、14歳の鈴子は、何を感じ、いかに生き延びていくのか?

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

187
乃南アサはミステリを中心に結構読んでいる作家です。敗戦の激動の時代にたくましく生きる女性達を見事に描いています。500P超一気読みしました。GHQ向けの特殊慰安婦の存在は多少知っていましたが、ここまで組織だってやっていたとは・・・戦前の従軍慰安婦と発想が全く一緒です。戦争という特殊な環境が精神を狂わせるのでしょうか?男の性(さが)だったり、娼婦は最古の職業だったり、生物学的に生命力の強い遺伝子を残そうとするDNAだったり、色々と考えさせらる一冊です。2015/08/12

とん大西

133
終始、落ち着かないザワついた読み心地。それは、焼け跡の主人公・鈴子の胸の内なのだろうと思います。一命はとりとめたものの残された母と二人きりで戦後の混沌を漂う。食べ物はある、雨露しのぐ住みかもある。だけどがらんどうになってしまった少女の14歳は何一つ満たされることなく流されていく。進駐軍慰安という陰の戦後史に目を背けられなかった現実。戦争…こどもになんの責任があろうか、後始末をするのは女の仕事か…。自分自身、何一つ知らない戦後のさらに深淵、考えさせらる作品でした。2020/09/03

taiko

133
昭和20年3月水曜日、7人家族だった鈴子は母と2人きりになった。…終戦直後女だけで生きていく為に、母つたゑのような生き方もあるんだと複雑な気持ちで読みました。多感な年頃の娘鈴子には想像を超えた経験で、それ以外の女性達も皆運命が変わってしまった。そんな体験をさせた戦争は忌むべきものだ思いました。母目線で、つたゑの気持ちが分かるとさらに違った解釈になったかもと興味深いです。RAAや占領軍の為の特殊慰安施設など、私自身が知らない日本の歴史はまだまだあります。読書の旅でまた知っていこうと思います。2018/10/12

あすなろ

124
終戦後1年も満たない間の女性達の葛藤を少女の目から描く。戦争が終わり、また新しい時代の戦争が始まった。本作では、挺身隊という言葉が使われる。我が国の婦女子を護る為。その上で、強い者の急激な変化も描かれている。戦争中は日本男子。戦後は米国男子。そんななか、どう日本女子は生きるのか?こんな世界があったのだ。慰安婦という言葉も使われる。特異な作品だったが、こうした作品も戦後70年の今年、顧みるにそして新たに知り得るに良書だった。埋れてしまう筈の我が国の闇の戦後である。2015/09/16

いつでも母さん

122
すうちゃんのお母様のラストの言葉「あとはすべて すうちゃん次第なのよ」「この先どんなことがあってもすうちゃんの味方よ。たとえすうちゃんがそうおもわなくても。最後まで味方でいるのは母親だけなのよ」私には、これが全てだった。すうちゃんの新しい『水曜日』はどんなだろう。久しぶりに乃南作家の底力を感じた作品だった。すうちゃんに幸あれ!2015/08/26

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